地域において担っている役割
町立中標津病院は、根室北部地域の中核病院として「安全で安心・やすらぎを得られる病院」を基本理念として、地域の住民からの期待に応えるべく、良質な医療の提供に努めている。平成11年(1999年)現在の地に新築移転をし、根室第二次保健医療福祉圏の地域センター病院として地域において必要な医療提供体制の確保を図り、救急・小児・周産期・災害などの不採算医療や急性期医療を提供するという重要な役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率・医業収支比率は、常勤医師の退職等があったものの、患者数及び医業収益が増加し前年度より改善が図れた。しかし、14診療科を維持するための出張医師に係る経費が高額となっていることから、類似団体・全国平均よりも低い水準を推移し累積欠損金比率が、類似団体・全国平均よりも高い状況となっている。病床利用率については、常勤医師不在の科について入院管理が困難な状況となっているものの前年度よりも利用率が上昇した。入院・外来患者1人1日当り収益については、入院単価は良いものの、外来は類似団体と比較し倍以上の患者数を受入れており、少額となる精算者も多数存在し平均値を下回っている。職員給与費・材料費の対医業収益比率については、先に述べた医師の退職、医業収益の増加により改善が図られた。
老朽化の状況について
平成11年(1999年)に新築移転し18年が経過しており類似団体・全国平均と比較し高い数値となっているが、建物や設備については修繕にて対応している。機械備品については、経営状況に鑑み必要最低限の医療機器更新に努め計画的に更新を図っているところ。全国平均よりはやや高めとなっているが、類似団体と同水準と考える。1床当り有形資産は全国平均とほぼ同額となるが、認可病床199床での算出となっていることから、実稼働病床127床にて算出すると大きく金額が増加することとなる。将来的に減価償却費として収益的支出にも影響を及ぼすことから、極力、機器の新規購入を控え計画的な更新に努める。
全体総括
前年度と比較し各指標に改善が見られるが、未だ類似団体・全国平均との乖離がある。このため、平成29年3月に策定した町立中標津病院新経営改革プランに基づき個別課題は基より、他地域との連携含め総合的に経営改革に取組むこととなる。