経営の状況について
風力発電事業においては、起債償還終了に伴い、収益的収支比率は320%を超えており、営業収支比率は360%を超えている状況であることから、FIT期間終了年度である平成30年度までは順調な経営状況が継続されている状況である。なお、一般会計への繰り入れ、繰り出しは行っていないが、風力発電機のリプレースに伴い、30年度は機器購入代金を電気事業債の借り入れで対応している。また、FITの終了が平成31年7月であり、料金収入は8月から2月の7ヶ月間の収入が無い状況であるが、リプレースに係る工事費用等を電気事業債の借り入れで対応する。30年度と31年度に借り入れした電気事業債は、令和1年度から17年間に渡り償還を行う計画である。供給原価についても毎年度において維持管理費の削減を行い、既設の運転終了時期を鑑みて有効的な修繕を行うなどの経営改善を図っている。減価償却前営業利益(EBITDA)については、毎年度において順調に推移している状況である。平成31年度以降については、売電単価が18円/kWhであること。売電期間が20年間であることなどを総合的に勘案して、リプレースを行うことで風力発電事業の継続を決定したところである。運転開始は、令和2年3月を予定している。
経営のリスクについて
起算償還が平成27年度で終了し、平成24年12月からはFIT設備認定により売電単価が上昇したことに伴い、経常収支比率は100%を上回って推移している。設備利用率については、毎年度において20%の安定した発電を継続しているが、経年劣化に伴う修繕が多くなっており、故障に伴う収益の減収が想定されるものの、FIT期間終了の平成31年7月末までは、運転継続可能であると判断している。修繕に係る交換部品等は、年々入手が困難になってきていることから、予備品を多めに保有したり、代替品に切替えて準備するなど保全に努めている。更に、修繕をメーカーに依頼せずに自前で実施することで支出費用の低減に努めている。修繕費比率については、計画的な維持管理や効果的な修繕方法等により、低減を図っているが、設備の経年劣化に伴う部品の故障が多くなってきていることから、交換部品の確保が課題である。企業債残高は、リプレースに係る風力発電機購入費を新たに電気事業債として借り入れしたことに伴う増加である。償却対象資産の減価償却については、すでに減価償却期間の17年を経過しているが、30年度及び31年度はリプレースのため新たに起債を行い17年間の償還を計画している。FIT収入割合はほぼ100%であり、既存施設は平成31年7月をもって売電期間が終了したが、リプレースにより令和2年3月からリプレース単価(18.0円/kWh)により20年間の事業を再スタートする。運転開始後は、収支の均衡を図りつつ、健全な経営に勤める計画である。
全体総括
当該事業については、平成10年の運転開始以降において健全な事業を継続中である。なお、既存の風力発電事業については、FIT期間終了に伴い平成31年7月で売電が終了したが、建て替えによるリプレース後の収支計画では、安定した経営が見込まれる状況である。