地域において担っている役割
市町村合併後、栗沢地域唯一の病院として、内科と外科の外来診療を行い、地域住民が安心して暮らせる医療の提供を行っているほか、85床の医療療養型病床を有し、急性期医療の治療を終えた方など、慢性期の治療が必要な多くの患者を受け入れ、公立病院としての役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
類似病院と同じく100%を少し割る程度であった経常収支比率において、病床利用率が2年連続で70%を割り、特にH27年度は60%を割ったため、年々下がっていたが、H28年度より利用率が70%を超えたことにより持ち直している。医業収支比率は類似病院を若干上回っているが、赤字が続いているため累積欠損は増え続けている。入院患者1人1日当たり収益は、類似病院をかなり下回っているが、外来患者1人1日当たり収益は、大幅に上回っている。職員給与費対医業収益比率、材料費対医業収益比率は、医業収益の減少により、類似病院を上回っており、改善が必要な状態が続いている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、機械備品減価償却率はともに類似団体平均に比べて高く、老朽化が進んでいる。さらに、1床当たり有形固定資産も類似団体の半分以下である。これは、施設は老朽化しているが、地域医療構想や総合病院の建替えに向けて、栗沢地域における病院の必要な機能や適切な規模の検討が必要な段階の中で、大規模な建設投資を行っていないためである。
全体総括
経営の健全性を示す経常収支比率が100%未満であり、経営改善に向けた取り組みが必要となっている。そのため、急性期病院との連携を強化し、70%以上の病床利用率を維持し、さらに、看護体制の見直しや、患者医療監視装置を導入するなど入院報酬単価をあげ、収益増に繋げ経営の効率性を高めることに努めている。老朽化した施設を維持しながら、今後も適切に役割を果たし良質な医療を提供していくために適正な経営規模の検討を進めていく。