経営の健全性・効率性について
①各年度の指標は100%以上を維持しており、令和元年度(以下、前年度という。)と比較しプラス2.49%と伸びており、類似団体及び全国平均値(以下、両平均値という。)についても、共に超えていることから、概ね良好である。②累積欠損金は0であり、健全な経営状況にあるといえる。今後も、維持する努力が必要である。③指標は100%以上の数値を示しており、前年度並みを維持している。今後も1年以内の短期的な債務に対する支払能力の維持に努める。④前年度に引き続き、新規の起債発行がないため、当該値は順調に減少しており、財政負担も軽減しているといえる。ただし、今後も災害や大型施設の更新等に伴う新規発行に備え、常に注視しなければならない。⑤各年度の指標が100%以上を維持しており、両平均値を上回っていることからも回収率に関しては概ね良好である。⑥給水原価については、年々減少してきている。これは年間有収水量の増によるもので概ね良好と考えられるが、今後は類似団体平均値との差に注視が必要である。⑦当事業体は順調に給水人口が増加しているため、指標は増加傾向にある。前年度と比較しても微増となっており、効果的な利用がされているといえる。⑧指標については両平均値を上回っており、良好といえる。今後も漏水調査等を徹底し、有収率の向上に努める必要がある。
老朽化の状況について
①指標は年々増加傾向にあり、法定耐用年数に近い資産が増加してきているといえる。数値は両平均値に比べても概ね平均的であるが、将来の更新に備え、既に作成済みの経営戦略を活用した計画的な財政運営に努める。②法定耐用年数を超える管路はない状況であるが、今後発生することは明確であるため、①と同様に計画的な更新財源が必要である。③指標については、前年度と比較して△0.51と大幅な減となっているが、これは、配水池建替に向けた実施設計など委託費に財源を多く充てたことによるものである。次年度より、配水池建替の大型事業が開始されるため、管路更新率は減になっていくと思われるが、可能な限り単独費で管路更新を進めていく必要がある。
全体総括
経営の健全性・効率性の面では、各指標とも全国平均及び類似団体と比較しても、現段階では、概ね良好に推移していると考えられる。しかし、管路や配水施設等の老朽化は、今後、加速度的に進んでいくことが明確であり、更に国庫補助金についても減少していくことが予想される。上記のことを考慮し、次年度以降は経営戦略を活用した現水道料金の適正化に向けた検証や管路更新率を改善するための財源確保及び工事実施体制の見直しと、それらによる新体制の確立が急務である。