経営の健全性・効率性について
本市は、昭和46年より下水道事業を開始し40年余りとなっています。現在は、行政面積の92%で管きょ等の施設を整備しており、下水道を利用できる人口に対する下水道を使用している人口の割合を示す水洗化率は79%となっています。水洗化率は、平成26年度に下水道台帳システムを用いた積算方法を見直したため平成26年度より70%台となっていますが、下水道管きょの新設や積極的な普及促進活動を通して、水洗化率の改善に努めました。本市下水道事業においては、使用料収入が年々増加傾向にありますが、同時に費用についても増加しているため、収益的収支比率も100%に満たない状態で推移しています。費用増加の主な要因は、歳出額の約60%を占める下水道施設の維持管理費及び新しい管きょを工事する際に借り入れた企業債の返済分が挙げられます。今後は、老朽化した施設への投資方法を見直すとともに、下水道接続の普及活動をさらに促進し、使用料の確保に努めます。また、市内に下水道管を整備するにあたり、必要な費用の一部を地方債として借入れを実施しており、借入年度より40年かけて償還をしています。平成6年ごろより集中的に実施した管きょ等の整備工事にかかる償還金が平成31年度をピークに減少に転じることから、債務残高も平成31年ごろを目途に減少する見込みです。
老朽化の状況について
本市は、昭和46年より事業着手しているため、一番古い施設は施工より40年以上経過しています。そのため、平成24年度より「宜野湾市下水道長寿命化計画(伊佐浜処理区)」に基づき、管路施設等の老朽化の予防保全、修繕等にかかるコスト縮減を目標に取り組みを行っています。
全体総括
経営圧迫の原因となっている老朽化した施設等の計画的維持管理の見直し、不明水対策の強化、下水道使用料の増収(普及強化)を中心に取り組み、より健全な下水道事業運営となるよう経営努力を図ってまいります。また、平成30年度には下水道事業の経営状況の明確化を目的に、地方公営企業法を適用し、企業会計方式を導入する予定です。地方公営企業法を適用することにより、これまでの官公庁会計では区分されていなかった損益取引や資本取引、資産の状況が明確になります。今後は、企業会計方式の導入によって得た正確な経営分析や経営計画を十分に活用し、適正な使用料の見直しも含め、長期的な安定経営に向けて取り組んでまいります。