地域において担っている役割
垂水市立医療センター垂水中央病院は、「救急告示病院」として特殊部門に関わる医療の提供を行うとともに、「へき地医療拠点病院」として過疎地における医療の提供を行う役割を担っている病院である。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率、②医業収支比率、④病床利用率、⑥外来患者1人1日当たり収益については、類似病院平均値を上回っており、③のとおり累積欠損金はなく、健全経営を維持している。⑤入院患者1人1日当たり収益が類似病院平均値を下回っているが、「一般病床126床」から「一般病床91床、療養病床35床」への病床再編を平成27年に行ったことによるものである。また、⑦職員給与費対医業収益比率については、⑤のとおり入院医業収益が少ない状況にあることから類似病院平均値を上回ることとなっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、類似病院平均値よりも高い状態で推移しており、施設の老朽化が進んでいる。②器械備品減価償却率については、令和2年度に類似病院平均値を18.6%下回っているが、これは令和2年度に高額医療機器の更新を行ったことによるものである。③1床当たり有形固定資産については、類似病院平均値を下回っており、過大な投資は行っていない。
全体総括
経営の健全性・効率性については、健全経営で推移している一方で、有形固定資産の老朽化は類似病院平均よりも進んでいることから、これまでは施設等の改修・更新を先送りして健全経営を維持している状況にあると言える。建設時から30年以上経過しており、令和2年度に策定した公共施設等個別計画にもとづき、計画的な施設の改修・更新を行い、施設の長寿命化を図る必要がある。必要となる更新投資が経常収益で賄えるよう、今後も安定的な健全経営を維持する必要がある。