地域において担っている役割
枕崎市立病院は昭和27年に開設以来、地域の中核となる国保診療施設として公平かつ良質な医療の確保に努めている。内科中心の医療となっているが、多角的に診療を行う総合診療病院として役割を担っている。また、枕崎市内には病床数100を超える民間医療機関が複数あるが、いずれも一般病院のみであり、長期の治療が必要な高齢者等については市立病院への転院を受け入れている。公立病院として、1次、2次救急への対応も行っていくとともに、民間医療機関が対応できない分野(不採算部門)への対応も行っていく。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、概ね良好と考えているが平成30年度100.8%から令和元年度99.3%と1.5ポイント減少している。令和3年度以降、病床機能を見直し、収益の改善を図るとともに更なる経費の節減に努め経常収支比率100%以上の達成を目指す。②医業収支比率は平均値より高くなっているが、平成27年度と比較し、11.3ポイント低くなっている。要因としては、診療科目が内科のみであるため医業収益が伸び悩んでいるためである。④病床利用率は88.1%と平均より高く、施設の効率性についても問題はないと考えている。⑤入院患者1人1日当たり収益は平均より、低くなっているため、病床機能の見直し等による効率的な診療報酬の獲得により、改善を図る。⑥外来患者1人1日当たり収益は平成27年度以降減少が続いている。外来延べ患者数も減少しており、再診料しか算定できない和温療法や、再診料+消炎・鎮痛のみの患者が大幅に増えたため1人1日当たりの収益が減少した。なお、令和元年度に医療機器の入れ替えを行い、検査効率の改善に向けた取組みを行った。⑦職員給与費対医業収益比率が類似病院平均値と比べて低い要因は、非常勤医師や非正規職員に対して支払われる給料について、支払費目が違うためである。⑧材料費対医業収益比率が低い要因は、ジェネリック医薬品の導入と在庫管理の徹底によるものと考えている。
老朽化の状況について
平成24年4月1日より5床の減少を行い、55床の病院として施設面はリニューアルしているため、①有形固定資産減価償却率は平均値より低くなっている。建物について、当分の間は大掛かりな老朽化対策は必要ないと考えているが、補修が必要な箇所については、その都度行っていかなければならない。②器械備品減価償却率については、平均値を上回っているが、適正なメンテナンスや補修を行いながら使用していきたい。③1床あたりの有形固定資産については、平均値を下回っているが、適切な投資を行っていると考えている。
全体総括
「枕崎市立病院改革プラン」を基本に据え、適切な機能や規模を検討し、市民のニーズに応えられる病院づくりを行っていく。