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基準財政需要額は平成22年度臨時財政対策債の元金償還が開始されたことなどにより前年度より増加したものの,基準財政収入額が消費税率引き上げに伴う地方消費税交付金の増などによりさらに増加したことから,平成26年度(単年度)の財政力指数については,前年度に比べ0.009ポイント上昇し,3箇年平均では前年度に比べ0.007ポイント上昇している。今後とも市税などの歳入確保に努め,定員管理・給与の適正化などにより,義務的経費を中心とした歳出削減に取り組む。
分母である経常一般財源収入額は,市税の増などにより増加したものの,分子である経常経費充当一般財源が,退職者数の増に伴う退職手当の増や職員給料減額の復元による職員給の増,特別会計に対する繰出金の増などにより増加したことから1.2ポイント上昇した。今後とも,義務的経費を中心とした経常経費の削減に努め,市税等をはじめとする経常一般財源の確保に積極的に努めていく。
人件費の決算額は,退職手当の増や国家公務員の給与削減支給措置を踏まえた職員給料減額の復元による職員給の増により,増加している。物件費の決算額は,社会保障・税番号制度システム等改修経費の皆増などにより増加している。今後とも,定員管理・給与の適正化などによる人件費の見直しなど,引き続き行財政改革に取り組む。
平成16年10月から行っている職員の給与削減(平成16年10月~20年3月:一律5%,平成20年4月~25年3月:級別削減1級2%・2級3%・3級4%・4級5%・5級5%・6級6%・7級7%,平成25年4月~25年6月:1級から3級削減なし・4級5%・5級5%・6級6%・7級7%,平成25年7月~26年3月:1級4.5%・2級5%・3級6%及び8%・4級9%・5級9%・6級10%・7級10%,平成26年4月~27年3月:6級3%・7級3%),特別昇給の廃止,特勤手当見直し等をこれまで行っており,前年度と比較して1.2ポイント低下した。今後とも引き続き各種手当の見直しを行い,一層の給与適正化に努める。
平成27年4月1日現在の普通会計職員数は平成26年4月1日現在の職員数と比較して1人減となったが,人口が減少したことから人口千人当たり職員数は0.12ポイント上昇した。今後の定員管理については,第3次行財政集中改革プランにおける定員管理の目標値に基づき,引き続き適正な定員管理の徹底や民間委託等の積極的な推進,更に行政の守備範囲を見直す中で市民協働を推進するとともに,職員の年齢構成が偏らないよう新規採用枠も確保しつつ,適正な定員管理に努める。
比率を求める算式の分母の基礎となる標準標準財政規模が増加し,分子も一般会計の元利償還金の額が減となったことなどから,前年度に比べ,単年度の比率は1.0ポイント改善し,3箇年平均では1.5ポイント改善した。今後とも投資的経費の適切な選択と重点化によって計画的に借入額の抑制を行うとともに,過疎対策事業債など交付税措置の高い財政運営上有利な地方債を活用するほか,特別会計や企業会計まで含めた市全体で連携を図りながら,実質的な公債費負担の適正な管理を継続して実施していく。
比率を求める算式の分母の基礎となる標準財政規模が増加し,分子では,地方債の現在高をはじめ将来負担額を構成する全ての項目が減になったことに加え,充当可能基金が増加したことから,前年度に比べ9.3ポイント低くなっている。しかしながら,依然として高い水準にあることから,今後とも市全体で連携して投資的経費の適切な選択・重点化等を行いながら,交付税措置率の高い財政運営上有利な地方債を活用して,後年度の実質的な公債費負担を縮減していくとともに,財政調整基金をはじめとする基金を確保し,さらなる比率の改善に努める。
退職手当の増や職員給料減額の復元による職員給の増により人件費が増加したことから,人件費に係る経常経費充当一般財源が前年度に比べて上昇している。本市の場合,常備消防については直営で実施しており,現段階では平均年齢・平均勤続年数ともに県内19市で最も高いことなどにより,類似団体と比較しても高い水準にあるが,今後とも定員管理・給与の適正化など行財政改革への取組みを通じて人件費の削減に努める。
物件費に係る経常収支比率は,前年度に比べ0.6ポイント低下し類似団体の中でも低い水準にあるものの,物件費の決算額は事業委託の推進などから増加傾向にある。今後とも引き続き,必要性などを十分に検討し,見直しに努める。
障害福祉事業や生活保護費の増等により,前年度に比べて上昇しており、類似団体と比較しても高く,年々増加傾向にある。今後も,市の単独事業については,費用対効果等を検証し見直しを行うなど,扶助費の抑制に努める。
後期高齢者医療特別会計をはじめ,各特別会計への繰出金は増加傾向にあり,本市の経常収支比率が高い大きな要因の一つとなっている。平成26年度についても前年度に比べ上昇しており,また下水道事業への繰出の影響により類似団体の平均を上回っている状況にある。今後とも特別会計における歳入確保に努めるとともに事務事業の見直しを行って歳出削減に努める。
補助費等にかかる経常収支比率は,一部事務組合負担金の減少等により大きく減少してきており,類似団体と比較しても低い水準にあるが,一方で,平成24年度末の消防組合の解散による補助費等の減が,人件費等の増要因となっている。今後とも引き続き,単独補助金の必要性等を検討し,見直しを進めていく。
台風の常襲地帯であることから災害対策等の事業を推進してきたことなどにより公債費は高水準で推移してきたが,投資的経費の適切な選択と重点化による借入額の抑制に努めたため,公債費が減少し,前年度に比べ0.8ポイント減少した。しかしながら,全国・県平均より高くなっていることから,引き続き借入額の抑制及び交付税措置の高い有利な地方債の活用を図ることで公債費負担の軽減に努める。
公債費以外の経常収支比率については,類似団体と比べ高い状態が続いている。各性質別の分析については,前述のとおりであるが,特に人件費,扶助費,繰出金が高く,今後とも行財政改革の取組みにより削減に努める。
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