経営の健全性・効率性について
平成30年度の①「経常収支比率」は120.1%と黒字ではありますが、年々給水人口の減による収益減が進んでおり、老朽管更新工事の費用増も見込まれるため、収支の増減に注意が必要です。現状としましては⑤「料金回収率」も100%を超えた数値で推移しており、給水に係る費用が給水収益で賄われています。このことから現在のところ健全な経営が行われていると言えますが、今後の給水収益の減、老朽化する施設・管路更新費用の増が想定されるため、更なる費用削減と将来的な料金設定計画を検討する必要があります。②「累積欠損金比率」は0%となっていますが、徐々に収益が減り、更新費用が増えることが想定されるため、今後の推移に注意が必要です。③「流動比率」は100%を大きく上回っており、現在の支払い能力については問題はありません。④「企業債残高対給水収益比率」は類似団体平均値よりも低く、平成22年度の起債以降新たな借り入れは行っていません。今後の収支バランスの推移によっては起債計画を検討することになります。⑥「給水原価」は類似団体平均値より低く、良好な数値となっています。適切な数値が保てるよう財源の確保、施設・管路の更新計画が必要です。⑦「施設利用率」の数値は60%を下回っており、更新時には統廃合・ダウンサイジング等についても検討する必要があります。⑧「有収率」は約70%のまま推移しており、類似団体平均値より低くなっています。改善が進んでいない原因の一つは漏水であると考えられるため、今後も更なる漏水対策の強化が必要です。
老朽化の状況について
平成30年度の①「有形固定資産減価償却率」は類似団体平均値よりも高く、②「管路経年化率」も類似団体平均値よりもかなり高い状況にあります。③「管路更新率」は類似団体平均値より高い状況にはありますが、老朽化が徐々に進んでいる状況です。管路の更新については漏水が多い箇所を考慮し、地区毎に行っていますが、加えて老朽箇所を考慮した管路更新が必要です。そのため更新工事の財源確保・更新計画を検討していく必要があります。
全体総括
③「管路更新率」は類似団体平均値より高い状況にありますが、②「管路経年化率」も徐々に高くなっており、老朽管の更新工事を更に推進する必要があります。また、老朽化した管路の更新に加えて施設等の更新についても考慮が必要です。そのため中長期の財源確保・更新計画を検討する必要があり、令和2年度中に中長期の経営計画となる経営戦略を策定する予定です。