経営の健全性・効率性について
①,②経常収支比率は100%を上回っており、累積欠損金もないことから、現時点では経営は順調に推移しているが、水道料金収入は減少傾向にあり、更なる維持管理費の削減を行い経営の効率化を図っていく必要がある。③流動比率は、422.40%で、100%を上回っており、類似団体よりも高い水準で短期債務に対する支払能力は十分である。④企業債残高対給水収益比率は、施設更新に借入金に依存し、類似団体よりも高い水準で推移している。維持管理の削減、料金体制の見直しなど財源確保に努める。⑤料金回収率は、100%を上回っているものの、料金体制の見直しなど財源確保に努める。⑥給水原価は、豊富な地下水源を有し、費用削減に努めていることから類似団体を下回っている。⑦施設利用率は、適正規模での運用ができており、概ね良好と考えているが、将来の水需要の減少を考慮し施設規模の適正化など検討を行う。⑧有収率は、計画的な管路更新や漏水調査などにより年々向上しているが、類似団体の平均を下回っており、更なる漏水対策に努める。今後も老朽化した施設更新も控え、料金体制の見直しなど、借入金に依存せず資金を確保するかが課題となる。
老朽化の状況について
①減価償却率は、年々微増しており、今後も管路や施設の更新時期を迎え、耐震化対策も含め計画的に更新事業を行っていく必要がある。②管路経年化率は、熊本地震からの復旧後、管路更新を進めており、類似団体を下回っている。しかし、有収率も低いことから漏水も多いと考えられ、耐用年数を経過した優先度の高い管路から更新を進める必要がある。今後も限られた予算の範囲内で耐震化対策も含め計画的に更新事業を行っていく必要がある。
全体総括
現時点では、経常収支比率・流動比率は健全な水準を維持しているが、今後、人口減少による給水収益の減少も見込まれる。また、水道施設では更新時期を迎え、過去の建設改良費の元利償還金や既設施設・老朽管の更新等の経費が増えていくことが予想される。本年度、水道事業のアセットマネジメント及び経営戦略を作成中であり、料金改定を念頭に置いた経営基盤の改善・安定化に取り組む必要がある。併せて動力費や修繕費などの経常コストの節減や、漏水調査・施設の効率的な稼働による有収水率の向上などに努める。