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前年度より0.01ポイント増加しているものの、類似団体内平均値を下回っているのが近年の状況である。税収の確保に努めながら、経常経費の削減が求められる。事務事業の見直しを実施し、特に公債費を抑制するために地方債を財源とする普通建設事業の精査を行う必要がある。
前年度より0.4%下回ったものの、類似団体内平均値は上回っているのが近年の状況である。財政構造の硬直化を招きかねない状況であり、積極的な補助事業の活用を行うなど財源の確保に努めながら、全体的な経常経費の削減に努める。
会計年度任用職員に関する法令の整備により、人件費は前年度より増加している。また、新型コロナウイルス感染症対策関係の物件費が新たに必要となったことから、物件費においても前年度に比べ増加している。しかしながら、類似団体内平均値よりも決算額が抑えられているのが近年の状況である。委託料が増加傾向にあり、内容の精査を行うことで更なる抑制に努める。
前年度と比較して0.1ポイント減少して96.7となった。類似団体内平均値を下回っており、国や県内自治体の支給水準及び本市の財政状況を踏まえた給与管理に努める。
分母にあたる人口が-440人、分子にあたる職員数が+5人となっており、当該指標は前年度から0.37増加し、類似団体内平均値と比較して上回っている。町村合併以降、広大な市域の中で行政サービスを維持するために支所機能の充実を図ってきた。また、行政改革集中プランや定員適正化計画に基づき定員管理を行っているが、多種多様な行政需要への対応や災害発生時における持続的な行政サービスの確保には、現状の水準を維持した定員管理や、効率的な人員の配置が必要である。
単年度実質公債費比率は分母にあたる標準財政規模が増加したものの、分子にあたる元利償還金等も増加したため、8.2%(前年度比+0.1%)、3ヶ年平均では7.8%(前年度比+0.1%)となった。今後も、交付税算入率や後年度の償還計画等を十分に考慮し財政状況と連動しながら事業に努める。
公債費の充当可能算入見込額が増加したこと等により当該指標は41.1%(前年度比-16%)となっている。今後は、熊本地震関連起債の元利償還開始に伴い、当該指標は上昇していくものと考えられるが、本市の規模から勘案される適正な水準で指標が推移するように市債の新規発行に留意する。
普通建設事業費が大きく減少したことに伴い、事業費支弁から移行した人件費の増や会計年度任用職員制度の開始による影響で前年度より0.2%上昇した。近年の状況としては、類似団体内平均値よりも下回っている。
新型コロナウイルスによる会議や出張の中止等により0.3%減少した。しかし、物件費は年々増加傾向であり、今後も業務に使用するシステム導入や更新等により増加する見込みである。
扶助費全体では減少しているものの、保育所運営費等の一般財源分が増加したことにより、全体としては0.2%上昇した。今後は自立支援を後押しし、生活保護事業を抑制することや関係課との連携による医療扶助費の抑制に努める。
繰出金は後期高齢者医療事業、国民健康保険事業への特別会計繰出金が減少したものの、介護保険事業は給付費の増加に伴う法定繰出分と下水道事業への特別会計繰出金が増加したことから繰出金全体では0.2%の上昇となった。
阿蘇山の噴火に伴うガス対策分として阿蘇火山防災会議協議会負担金等により0.1%上昇した。類似団体内平均値、全国平均及び熊本県平均よりも高いため、今後は補助金を交付するのが適当な事業を行っているかなどについて基準を設けて、見直し等を検討する必要がある。
一般単独事業債や合併推進事業債等の減少、新規借入分利息据置期間のため0.8%の減少となった。類似団体内平均値や熊本県平均を下回ったものの全国平均を上回っている状況である。令和3年度から平成28熊本地震関連で災害対策債の元金償還が開始されるため、増加が見込まれ経常収支比率の悪化が懸念される。
公債費以外は、類似団体内平均値より上回っている。主な要因としては補助費等の割合が高くなっているためであり、行政運営の硬直化を招きかねない状況であり、市単独補助金などの効果・必要性を検証し、補助費等の抑制に努める。
(増減理由)財政調整基金及び減債基金はともに利子を積み立て、取り崩しなし。その他特定目的基金では、新型コロナウイルス感染症金融対策基金77百万円、森林環境譲与税基金14百万円を積み立て、地域振興基金130百万円、公共施設管理基金100百万円、ASО環境共生基金5百万円等を取り崩している。前年度と比較して136百万円減少した。(今後の方針)財政調整基金については、第2次阿蘇市総合計画に基づき令和6年度を目途に1,620百万円程度を確保することを目指し、その他特定目的基金については、将来の需要に備えて必要な額を計画的に積み立て、取り崩しできるようにする。
(増減理由)増減なし(今後の方針)財政調整基金については、2つの激甚災害(平成24年九州北部豪雨災害、平成28年熊本地震)を経験する中で、災害や緊急事態に予算編成が可能となるように、第2次阿蘇市総合計画において令和6年度を目途に1,620百万円程度を確保することを目指す。
(増減理由)増減なし(今後の方針)減債基金については、満期一括償還による起債がないため大きな減少の予定はないが、償還財源として計画的に活用できるようにする。
(基金の使途)・地域振興基金:地域振興に係るソフト事業に要する財源とする。・地域情報化基盤整備基金:情報化基盤整備に要する財源とする。・公共施設管理基金:公共施設管理に要する財源とする。・平成28年熊本地震復興基金:熊本地震の復興事業に要する財源とする。・教育施設整備基金:教育施設整備に要する財源とする。(増減理由)・地域振興基金130百万円を取り崩して地域振興事業(ソフト事業)に充当した。・公共施設管理基金100百万円を取り崩して公共施設整備事業に充当した。・熊本地震復興事業の財源として8百万円を積み立て、4百万円を取り崩して復興事業に充当した。・新型コロナウイルス感染症の影響を受けた農林水産業者や中小企業者に対する経済対策等融資利子補給基金として77百万円積み立てた。・その他の基金については、利子分の積み立てを行った。(今後の方針)・地域振興基金:起債の償還が終了した範囲内で取り崩し、基金の目的である地域振興事業(ソフト事業)に充当する。・地域情報化基盤整備基金:光ネットワーク設備の更新に備え、必要な積み立てと取り崩しを行う。・公共施設管理基金:公共施設の更新、除却、大規模修繕等に備え必要な積み立てと取り崩しを行う。・平成28年熊本地震復興基金:熊本地震の復興事業に要する財源として計画的に取り崩しを行う。・教育施設整備基金:教育施設の更新、除却、大規模修繕等に備え必要な積み立てと取り崩しを行う。
令和1年度から令和2年度にかけて、有形固定資産減価償却率は1.4%増加した。要因としては償却済みの資産である仙酔峡ロープウェイ施設が一般会計に追加されたことが要因として挙げられる。
債務償還比率は平成30年度から引き続き減少したが、類似団体と比べると高い状態である。令和2年度に充当可能特定歳入は増加したが、充当可能基金の減少や地方債の残高が増加している事が要因として挙げられる。起債の新規発行の抑制を推進することで財政運営の健全化に努める。
有形固定資産減価償却率については償却済みの仙酔峡ロープウェイ施設等の追加により増加している。将来負担比率は減少傾向にあるが有形固定資産減価償却率が上昇傾向にあるため、かつ今後は施設の更新が迫っている状態にあり、適切に更新し将来負担比率と有形固定資産減価償却率のバランスを取っていく必要がある。
熊本地震の災害復旧事業等に係る起債の元金償還の開始に伴い実質公債費率が高くなることが見込まれるため、将来負担比率と併せて注視していく必要がある。
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