経営の健全性・効率性について
本事業において、①経常収支比率の100%超及び②累積欠損金比率の0%を維持しており、③~⑦において類似団体と比較しても、良好な経営状態にあると考えられます。⑧有収率については、ここ数年度は微増減を繰り返していますが、類似団体と比較すると平均を上回っています。本町においては、人口及び給水人口ともに平成28年度から微減しているなか、給水収益が、本年度はコロナ禍による自宅滞在増加等の影響により増収しましたが、今後は節水意識の向上等に伴い微減傾向が見込まれます。そのなかで、漏水対策等に対する配管等更新に伴う経費の増加が見込まれるため、良好な経営状況を保ち続けるためにも、今以上の経営の健全性や効率性の向上に努める必要があると思われます。
老朽化の状況について
管路経年化率では、類似団体平均よりは低いものの、平成28年度から法定耐用年数が経過した管路が発生し、今後も増加が見込まれます。その中で、管路更新計画により老朽化した管路の布設替等の計画的な更新を図っていく必要があると考えます。有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して多少高い数値にあり、保有資産の老朽化が進んできています。安心で安全な水の供給を安定して行うためにも、老朽化した管路及び施設の計画的な更新を図っていく必要があると考えます。
全体総括
収支は継続して黒字を維持し、事業の経営状況はおおむね安定していると考えられます。しかし、給水収益の大きな増収が見込めない中で、法定耐用年数を超えた管路の増加や保有施設の老朽化が進み、更新整備費用の増加が見込まれています。今後は中長期的な基本計画となる水道事業経営戦略の財政計画を基に、財源確保の為のより一層の経費削減を行いながら、整備計画による更新費用の平準化を図り、安定かつ健全な事業経営を維持していくことが必要と考えます。