地域において担っている役割
①佐賀県西部地域の地域医療支援病院として、急性期医療などの質の高い医療を提供する役割②安心安全で受診できる地域住民のための病院としての役割③患者の紹介・逆紹介や高度医療機器の共同利用、診療情報伝達システム等を活用し、地域における病病・病診の医療連携を強化する役割④地域の医療従事者の資質の向上を図るため研修会等を開催し、地域医療の充実を担う役割⑤災害拠点病院として、災害発生時における医療救護活動及び県等の要請による医療救護班を派遣する役割
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%以上で黒字である。③累積欠損金比率は平均を大きく下回り、解消傾向である。④病床利用率は平均を上回っているが、年々減少傾向である。利用率を上げるため、医師不足解消への取り組みが必要である。⑤⑥入院及び外来患者1人1日当たり収益は、共に平均を下回っている。主な要因はDPCの機能評価係数が低いこと、診療科目が少ないことである。改善策として、救急患者の積極的な受入、関係機関へ医師確保のための要望を行うなどの取り組みを行っている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は平均より大きく下回っているが、開院し8年しか経過していないためである。②器械備品減価償却率は平均を若干上回り、器機の更新時期を示している。改革プランに基づき、計画的な更新を行う予定である。③1床当たり有形固定資産は平均より約1千万円も下回っており、過大な設備投資していないことを示しているものである。
全体総括
入院及び外来患者が減少したことで収益が減少したが、費用を抑えることができたため、2年連続黒字である。今後は、より効率的な経営を行うことで健全な病院運営を目指すとともに、病床稼働率80%以上を目指し、安定的な経営に取り組むものである。また、医師不足解消のため、関係機関と協力し、医師確保に向けて取り組むものである。伊万里市及び有田町が共同運営する中核病院として総合的な医療環境の充実を図り、西部医療圏における医療機関同士の連携、医療資源の効率的運用などにより、地域住民が安心して生活できるよう、地域医療支援病院としての確立を目指していくものである。