地域において担っている役割
佐賀南部医療圏の南端に位置する人口8700人の町で、入院患者の73%、外来患者の90%が町内の方になり、地域のかかりつけ医療機関の役割を担っている。また、整形外科は年間260件の手術を行っており、小規模ながら内科、整形外科を中心に地域のニーズにあった医療提供が出来ている。高齢化率は37%以上と進んでいる中、在宅医療や訪問看護、また、訪問介護も必要性を増しており、地域包括ケアシステムの中心となり、救急医療、小児医療から在宅医療介護まで幅広くカバーしなければならない。
経営の健全性・効率性について
経営面は改善傾向にあり、利用率も8割を超えてきた。累積欠損金も今年度で解消でき積立に回すこともできている。外来においてはリハビリのみの者が多く単価が低いが、その他の部分で単価増につなげる必要がある。入院単価については少しずつ増加しているが、今後も加算増に努める。給与費率においては、正職員の数の増加や来年度からの会計年度任用等で増加が見込まれる。材料費率は今後とも価格交渉を徹底的に行い、経費全体の削減に努め、医業収支比率100%以上を目指す。
老朽化の状況について
2006年に新築、15年が経過し修繕費等も増加傾向にある。設備機器や医療機器の更新を必要性を考慮しながら計画的に行う必要がある。小規模病院で1床当たりのの有形固定資産は高くなってしまうが、町内唯一の病院で救急から在宅までの必要な医療を提供していくためには欠かせない投資と考える。今後とも計画的な投資と維持に努めなければならない。また、大規模な改修に関しては計画策定も必要と考える。
全体総括
経営状況は全体的に改善傾向にあるが、人口減少が進む中、高齢者人口は先20年は横ばいで、支える側のスタッフの確保が今後の課題となる。処遇改善による大幅な人件費増は避けられないので、その他経費の削減に取り組むことと、病床利用率の増に力を入れ、必要な設備投資を行いながら健全経営を行っていきたい。