地域において担っている役割
当院は、地域の急性期医療を担う中核病として他の医療機関と連携しながら医療提供を行っている。救急告示病院、災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院の指定を受けており、へき地医療を除く5疾病5事業全般に対応している。
経営の健全性・効率性について
累積欠損金もなく、経常収支比率及び医業収支比率ともに類似病院平均値を上回っていることから、経営の健全性については確保できていると判断している。経営の効率性については、収益面では、病床利用率が約80%の水準であり、入院患者及び外来患者1人1日当たり収益についても右肩上がりとなっている。費用面についても、職員給与費対医業収益比率及び材料費対医業収益比率はいずれも横這いとなっており、類似病院平均を下回る低い水準となっている。これらのことから、経営の効率性についても確保されていると考えられる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は例年右肩上がりの傾向であったが、平成30年度は改善することができた。これは、平成30年8月に電子カルテ等システムを更新したことにより電子カルテ等に係る高額な減価償却費が4か月分発生しなかったことが主な要因である。建物については築20年以上が経過しており、外壁等の修繕に努めているところである。今後も計画的な設備投資を行いながら施設の長寿命化に取り組む必要があると考えている。
全体総括
当院が属する有明保健医療圏は、少子高齢化の進展による人口減少地域であるが、一方で、医療機関の数も多く病床過剰地域となっている。このような中、当院は地域の医療機関との連携により、照会患者を中心に高度・専門医療の提供を行い、地域の急性期医療を担っている。また、地域包括ケアシステムの構築に当たっては、急性期を脱した患者が回復期を経て最終的には自宅等にスムーズに戻ることができるよう、退院支援部門の強化を行い、医療機関のみならず介護領域との連携強化にも努めている。また、入退院支援センターの導入に向けて現在取り組んでおり、平均在院日数のコントロール等を行いながら患者確保に努めていく。