福智町
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福智町
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2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
町内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。平成18年3月6日合併により福智町となり、合併による財政基盤の強化が図られたところである。今後、不用施設の廃止や施設の統廃合など組織のスリム化に伴う歳出の徹底的な見直しを行うとともに、地方税の徴収強化等の取り組み、産業の強化、雇用創出・雇用対策に重点を置き、より一層の財政基盤の強化に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は92.2%と類似団体平均を上回っている。前年度と比較して減少となった主な要因は、歳入は普通交付税293百万円の増、歳出はし尿処理施設完成に伴う負担金69百万円の増による。なお、公債費は、合併特例債及び過疎対策債の元金償還開始に伴い104百万円増加しており、今後も増加する見込みである。そのため、令和元年度から4年間で20億円(20%以上)の削減を目標に、全体事業の費用対効果を分析して見直しを行う等の段階的な歳出の削減を図る。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
類似団体平均を上回っているのは、保有する公共施設数が多く、人件費削減に至っていないことによる。今後、施設の統廃合や、事業の見直し等を含めた機構改革を行うことによりコストの低減を図っていく方針である。なお、前年度と比較して48,414円増加しているのは、主に物件費が要因であり、ふるさと納税寄付金488百万円増に伴う経費927百万円の増による。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
現行の給与表は年功的な体系となっており、上下の職務の級間で水準の重なりも大きいものとなっている。こうした年功的な要素が強い給与表の構造を見直し、職務・職責に応じた構造への転換を図る観点から、職務の級について町独自の継ぎ足し号級による級間の給与表水準の重なりの縮小の措置を講じる。このことにより、号級の継ぎ足しによる給与上昇に伴った、ラスパイレス指数の上昇を抑える。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員数は、平成17年度の合併に伴い、平成18年度以降は類似団体平均を上回っている。合併による旧町の格差是正等のため、合併特例事業債を活用した施策実施による人員確保を行ったこと、また、施設の統廃合等に関わる事務事業の見直しが進まなかったことが要因の一つである。今後、事務事業の見直しや新規採用の抑制により類似団体平均の水準まで削減を行い、適切な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成17年度の合併による合併特例事業債、平成22年度に過疎指定を受けたことによる過疎対策事業債の発行により、年々元利償還金が増加した。その対策として何度か繰上償還を行った結果、実質公債費比率が減少したが、令和3年度は5.1%と昨年度に比べて0.5ポイント増となり、類似団体の平均を下回った。今後、施設の統廃合に伴う過疎対策事業等による起債や、合併特例事業債の借入限度額残り11%分及び公営住宅建設事業債の発行等により、実質公債費比率の増が見込まれる。今後も改善に努め、実質公債費比率の抑制を図る。--
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
充当可能財源等(交付税算入見込額13,949百万円、充当可能基金20,131百万円等)が、将来負担額(地方債の現在高19,990百万円等)を上回っており、将来負担比率は発生していない。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
平成17年度の合併に伴い、類似団体平均値以上となったが、新規採用の抑制や退職勧奨により年々改善され、令和3年度は昨年度と比較して0.7ポイント減少し、類似団体平均値を下回った。この要因は、会計年度任用職員(短時間勤務)の削減による57百万円の減である。なお、合併前のほとんどの施設がそのまま存続していることにより人員の削減に至っていないため、今後は施設の統廃合や事務事業の見直しを行い、人件費の更なる抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
昨年度と比較し、令和3年度は0.1ポイント増加した。主にふるさと納税事業に伴う経費927百万によるもの。物件費の数値が、類似団体と比較し低いのは、消耗品等を集中管理していること等が要因である。更に委託業務についても、業務内容を精査し、実施回数の減や委託業務の廃止等を行い、物件費の抑制に努めている。令和4年度より人件費削減にむけた業務の包括委託を行っているため、今後も増加することが見込まれる。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費は10.2と昨年度と比較して0.7ポイント下降した。この要因として、児童手当14百万円の減があげられる。なお、令和5年度以降は、保育料の無償化などにより経常経費の増が見込まれるため、さらなる財政適正化に努める。
その他
その他の分析欄
その他の経費に係る経常収支比率は令和3年度は12.5と、類似団体の平均値を少し上回っている。介護保険広域連合や後期高齢者医療に対する繰出金、さらに国民健康保険の事業及び直診勘定会計に対する繰出金等が、今後の財政を圧迫する要因であるため、徹底した経費の節減やサービスの向上による診療者数の増を図り、一般会計の負担の軽減に努める必要がある。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等の数値は、令和3年度は14.0と昨年度と比較して0.5ポイント減となり、類似団体の平均値を上回っている。減額の要因としては、田川地区消防組合などの一部事務組合に対する負担金減による。なお、今後は施設建設に係る田川地区広域環境衛生施設組合等の負担金増が見込まれる。また、助成団体への補助金見直しを行い、団体の実態や事業内容等を充分に精査の上、段階的な削減を図る。
公債費
公債費の分析欄
合併特例債、過疎対策事業債、公営住宅建設事業債の発行により、年々元利償還金が上昇傾向にあった。平成30年度に684百万円の地方債繰上償還を実施することにより一時的に元金が減少したが、金田義務教育学校整備に伴い増加傾向となっているため、令和3年度には類似団体の平均を12.9ポイント上回っている。今後、施設の統廃合を予定しているため、合併特例債の借入限度額の残額分及び過疎対策事業債を有効活用しながら、同時に発行計画を再度見直し、公債費の削減を図る。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費を除く数値については、令和3年度は66.7と類似団体の平均を下回っている。類似団体と比較すると、人件費及び物件費は平均を下回っているが、それら以外は上回っている。今後は、扶助費の増や業務委託による物件費の増が見込まれるため、公債費以外の数値も増加傾向になると予想される。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
・民生費は、住民一人当たり271,245円となっている。前年度と比較して22,401円増額した要因は、非課税世帯及び子育て世帯等への臨時特別給付金が794,100千円増加したことによる。また、障がい者等の扶助費が年々増加傾向にあるため、今後も増加が見込まれる。・総務費は、住民一人当たり258,205円となっており、ふるさと納税事業費の増加に伴って類似団体と比較して高い状況であるが、前年度と比較して82,732円減少した要因は、主に特別定額給付金2,273百万円の減によるものである。・議会費が住民一人当たり5,514円となっており、前年度と比較して20円増額した要因は、令和元年度に実施した議場の映像・音響通信システム改修による保守委託料である。類似団体平均に比べ高止まりしているのは、合併による議員数が多いためである。議員定数は平成31年4月の町議員選挙時に2名減の18名となったが、今後も段階的に減らしていく予定である。・公債費は、住民一人当たり101,802円と類似団体と比較して高くなっている。金田義務教育学校整備などの大規模な改修費用に対して、過疎対策債等を活用したことにより、翌年度以降も増加する見込みである。・衛生費は、住民一人当たり82,452円となっており、類似団体と比較して高くなっている。主な要因は、田川水道企業団出資金の増や、田川地区広域環境衛生施設組合等の負担金増によるもの。今後も、施設建設に伴う一部事務組合への負担金が増加する見込みである。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり906,067円となっており、令和2年度から106,203円減少した。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり91,306円となっており、ほぼ横ばいとなっている。類似団体より高い理由として、合併前からの施設の多くが統廃合せずに存続しており、施設に配置する職員等の減少が困難なことが要因である。なお、令和4年度以降に施設統廃合による整備を行っている一方、会計年度任用職員の雇用について随時包括業務委託に移行しているため、今後の人件費は減少の見込である。また、公債費は101,802円と類似団体と比べて極めて高い状況である。この要因は金田義務教育学校整備による過疎債等の起債によるもので、今後も統廃合による起債を予定しているため増加見込である。補助費等に関しては、特別定額給付金等の減により大きく減少している。・普通建設事業費(うち更新整備)は一人当たり55,831円となっており、類似団体と比べて高い水準となっている。この要因は主に町営住宅建設事業によるもので、上記を除くと住民一人当たり40,312円となる。今後も施設の統廃合による整備等により、高い水準が続くと見込まれる。・扶助費は住民一人当たり170,189円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストが高い状況となっている。これは、障がい者施設増加に伴う利用者の増加による更生医療費の増に加え、町内に12保育所があることが主な要因として挙げられ、今後も増加が見込まれる。・物件費は住民一人当たり142,704円と、類似団体と比較して高い水準となっている要因は、ふるさと納税に伴う経費の増や、業務の包括委託の増によるものであり、今後も増加が見込まれる。・令和3年度の積立金が住民一人当たり171,527円と類似団体と比べて高いのは、ふるさと納税寄附金分2,711百万円を全て積み立て、次年度以降に目的別に活用していく流れをとっているためである。なお、昨年度と比較して寄付金が488百万円増加したため、積立金における住民一人当たりのコストが全体として9,046円増加した。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄
財政調整基金残高については、適切な財源の確保と歳出の精査により取崩しを回避しており、約13億円前後を維持している。比率については、分母となる標準財政規模の額によって、毎年若干の増減が見られる。実質収支額については、診療所会計の赤字を一般会計等の黒字で補っている状況であり、令和3年度に22.29%と5.65%増額となった主な要因は、コロナ禍による決算見込の過大見積りに伴う繰入金226百万円の増である。但し、財政力に十分余裕があるという訳ではなく、本町の基金を取崩し、また多額の地方債の発行により黒字を計上している状況である。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄
連結実質赤字比率に係る、各特別会計の赤字・黒字の状況は上図のとおりで、診療所会計の赤字額を、一般会計を含む他会計の黒字で補っている状況である。国民健康保険福智町立診療所特別会計については、一般会計から赤字補填財源繰出金として、令和3年度に129百万円を実施しており、令和3年度末では単年度赤字額が132百万円となった。令和4年度から2つの診療所が統合したことにより、人件費や維持経費等が減少するため、単年度赤字額も減少する見込みである。今後は、予防事業の促進、多重受診の抑制、また国民健康保険税の徴収率の向上を徹底し、単年度の赤字額縮小に努める。
実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄
元利償還額が合併特例債及び過疎対策事業債等の元金償還開始に伴って115百万円増加した一方、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費69百万円減により、実質公債費比率の分子は前年度と比較して68百万円の増となった。今後、公共施設の統廃合に伴う起債発行により、元利償還額の増加が見込まれる。そのため、合併特例債及び過疎対策事業債、公営住宅建設事業債等を含めた地方債全体の計画的発行を図る必要がある。なお、後年度普通交付税に算入される額を含む、算入公債費等の額については、平成28年度以降、元利償還金に対する90%前後が算入されており、次年度以降も算入率70%以上は維持できる見込みである。合併特例事業債の起債終了後はこの算入率は減少することが予想される。
分析欄:減債基金
満期一括償還地方債の償還の財源として、積立はしていない。
将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄
将来負担比率(分子)については、平成28年度以降全ての年度において、将来負担額を充当可能財源等が上回っている状況である。特に、一般会計等に係る地方債現在高は、横ばいを保っている。令和3年度末の現在高は19,990百万円と前年度と比較して794百万円減少した。主な要因は、義務教育学校建設に伴う新発債発行が減少したことである。令和3年度の発行額は、前年度と比較して過疎対策事業債が169百万円減、旧合併特例事業債が281百万円減となった。これに対し充当可能財源等について、特定目的基金を含む充当可能基金は令和3年度に20,131百万円と前年度と比較して1,279百万円増加しているが、今後は施設統廃合の整備費用や地方債の増加等に伴い基金の取崩しを予定しているため、減少傾向となる見込みである。基準財政需要額算入見込額は、令和3年度は13,949百万円となっており、地方債残高の69.8%を占めている。今後も、この数値は大きな変動はないと見込まれる。
基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)公共施設等の維持管理や更新経費に259百万円、ふるさと納税返礼品等の経費や図書館・歴史資料館経費、ふるさと納税を活用した定住促進や保育料第三子以降軽減分等の町独自費用として1,993百万円取り崩した一方、ふるさと納税寄附金の増加により使途目的に沿った基金へ2,711百万円積み立てたこと、決算剰余金82百万円積み立てたこと等により、基金全体としては1,279百万円の増となった。(今後の方針)ふるさと納税寄附金の増減が、基金への積立金に影響する見込みである。また、施設の老朽化や統廃合等に伴い、基金の取崩しを行う予定であること、地方債の増加に伴い減債基金の減少が見込まれることなどから、全体的に減少傾向になる。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)債券運用利子の収益22百万円による増。(今後の方針)災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、13億円程度を目処に積み立てることとしている。
減債基金
減債基金
(増減理由)運用利息及びふるさと納税寄付金、決算剰余金等を292百万円積立による増。(今後の方針)施設の統廃合に伴う起債を予定しているため、新発債増に伴う地方債償還に備えて毎年度計画的に積立てを行う予定である。同時に地方債償還による基金の取崩しを行うことから、令和4年度以降は減少予定である。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・かんがい施設維持管理基金:鉱害復旧事業により合併前の旧町毎に設置しており、かんがい施設の維持管理及びその施設更新に関する経費の財源に充てている。・振興基金:平成18年度に合併特例事業債1,703百万円を受け入れて同額を積立し、債券運用収益にて増加している。合併に伴う旧町間の格差是正等などのソフト事業に充当する。(増減理由)・福祉基金:予防接種事業や中学生分の子ども医療費、保育料第三子以降軽減分等の町独自費用として162百万円取り崩した一方、ふるさと納税経費181百万円を積み立てたこと等により、60百万円の増加。・公共施設整備基金:公共施設やインフラ整備に伴う地方債対象外経費等の一般財源分や、町道や農道などの維持補修により313百万円取り崩した一方、ふるさと納税経費181百万円を積立てたことにより、289百万円の増加。・振興基金:合併に伴う旧町間の格差是正等などのソフト事業に220百万円を取り崩した一方、運用利息により28百万円積み立てたことにより、191百万円の減少。・教育振興基金:図書館経費やGIGAスクール等の一般財源分として117百万円を取り崩した一方、ふるさと納税経費438百万円を積立てたこと等により、448百万円の増加。(今後の方針)・公共施設整備基金:合併前に旧町毎に整備した公共施設が統廃合されずに存続しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多い。また、老朽化施設も多いため、今後更新を含めた施設の統廃合等を行うにあたり、毎年1億円程度の積立を行う予定。但し、更新整備のため毎年2億円以上基金を取り崩す予定のため、今後は減少する見込みである。・地域振興基金:基金はほぼふるさと納税寄附金による積立金で占められているため、今後のふるさと納税の状況により変動する見込みである。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率について、令和3年度は58.9と類似団体と比較して2.1ポイント低い状況である。これは、金田義務教育学校の新設等により、学校施設における有形固定資産減価償却率が低いこと等が主に影響していると考えられる。福智町では、公共施設等総合管理計画(令和3年度改訂)において、公共施設等の延べ床面積を令和38年までに約22%以上削減するという目標を掲げており、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進める必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は類似団体を下回っており、主な要因としては、平成28年度、平成30年度において繰上償還を行い、地方債残高を約16億円減少させたことである。今後、発行終了の既発債もあるが、施設の統廃合等にかかる新発債を発行予定であるため、高くなる見込みである。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
有形固定資産減価償却率は類似団体とほぼ同水準となっているが、合併前に旧町毎に整備した公共施設が統廃合されずに存続しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多い。また保有施設の多くは、老朽化により改修や改築を行っている状況であるため、類似団体平均値を少し下回っている。今後、施設を存続させるにあたって、多額の予算が必要になることから、公共施設等総合管理計画に基づいて施設の集約化等を検討する必要がある。将来負担比率は、平成21年度以降全ての年度において、将来負担額を充当可能財源等が上回っている状況である。今後もその比率は維持できる見込みである。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は、平成24年度の公債費繰上償還が功を奏して徐々に低くなり、平成26年度から類似団体を下回っている状況である。また、平成28年度末に約9億円、平成30年度にも約7億円の繰上償還を行ったため、低い比率が維持できる見込みである。将来負担比率は平成21年度以降全ての年度において、将来負担額を充当可能財源等が上回っている状況である。今後もその比率は維持できる見込みである。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、橋りょう、公営住宅であり、特に低くなっている施設は、保育所、学校施設、児童館、公民館である。橋りょうについては、昭和に建設されたものが83%を占めているため、高い水準となっている。特に古いもので50年以上経過しているため、橋梁長寿命化計画修繕計画に沿って整備を行っていく予定である。公民館については、中央公民館に係る有形固定資産減価償却費の起算日を見直したことより、減価償却率が減少している。保育所については、2施設ある町立保育所のうち、神崎保育所が令和2年度に民営化となった。その影響により有形固定資産減価償却率が当該年度より大幅に減少している。令和4年度には第一保育所が民営化し、すべての町立保育所が民営化する。学校施設については、平成25年に赤池中学校の建替、令和元年度に金田小中学校建替により金田義務教育学校が新設された影響等により、類似団体と比較して減価償却率が低くなっている。児童館は、平成15年に児童センターを建設したため、類似団体と比較して減価償却率が低くなっている。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館・プール、福祉施設であり、低くなっている施設は、図書館、保健センター、消防施設である。一般廃棄物処理施設は、下田川クリーンセンターが下田川清掃施設組合から町へ移行した影響等により有形固定資産減価償却率が減少した。体育館・プールに関しては、建築から30年前後経過しているため、有形固定資産減価償却率は高い水準となっている。合併前の体育館がそのまま現存しているため、今後、改修等が見込まれることや、維持経費がかさむことを鑑み、施設の集約化に取り組んでいく必要がある。図書館は、平成29年3月に既存施設の大規模改修により開設したため、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率は低くなっている。保健センターは、コスモス保健センターが平成17年に建築されたこと等により、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率は低くなっている。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から▲508百万円の減少(▲0.7%)となった。金額の変動について、し尿処理施設の統合による下田川清掃施設組合分土地等の町への無償寄附169百万円、湧渕団地の整備290百万円、ふるさと納税寄付金に伴う基金921百万円等が増加したものの、減価償却及び資産売却、温泉施設民間移行等により1,910百万円の減額分が上回ったことによる。また、負債総額が前年度末から▲907百万円の減額(▲3.8%)となった。金額の変動が最も大きいものは固定負債の地方債であり、前年度と比較して▲825百万円(▲3.5%)減額した。これは合併特例債の新発債による発行収入と比較して、令和3年度元金償還分が401百万円高かったことが主な要因である。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は13,399百万円であり、前年度比161百万円の減少(▲1.2%)となった。そのうち人件費等の業務費用は8,429百万円(前年度比▲0.4%)、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,970百万円(前年度比▲2.5%)であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。最も金額が大きいのは物件費や減価償却費を含む物件費等(6,356百万円、前年度比+4.5%)で、経常費用の47.4%を占めている。主な要因は、全国的な臨時支出である令和2年度のコロナ関係経費が原因であり、前年度から▲1,739百万円減少している。これに伴い、令和3年度の純行政コストは1,891百万円の減少となった。今後、公共施設等の適正管理により、施設や事業の統廃合等に着手する予定であり、より一層の経費の縮減に努める。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等及び国県等補助金の財源(15,370百万円)が純行政コスト(13,659百万円)を上回ったことから、本年度差額は1,711百万円(前年度比+779百万円)となり、純資産残高は400百万円増加の47,896百万円となった。昨年度と比較して、コロナ関係による臨時的な経費が1,739百万円減少したことによる、純行政コストの減少が主な要因である。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は2,937百万円であったが、投資活動収支については、地方債を発行して、道路や農道等の改良事業などの公共施設等の必要な整備を行ったことから▲1,682百万円となった。財務活動収支については、主に地方債償還額が公共施設等老朽化に伴う整備にかかる地方債発行収入を上回ったことから、▲794百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から+461百万円増加し、1,662百万円となった。行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であることや、施設や工作物の老朽化に伴う整備費用が今後の財政状況を圧迫していくと考えられることから、行財政改革を更に推進する必要がある。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は、合併前に旧町毎に整備した公共施設が統廃合されずに存続しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っている。保有施設数の多くは老朽化している施設であるが、現状統廃合をせずに改修や改築を行っている状況であるため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を少し下回っている程度である。今後、将来の公共施設等の修繕や更新等にかかる財政負担を軽減するため、令和3年度に策定した公共施設等総合監理計画に基づき、全体的な事業や施設の集約化・統廃合を進め、施設保有量の適正化に取り組む。なお、令和3年度末で2支所を廃止し、本庁舎に教育委員会以外の全ての課を集約するための本庁舎改修をおこなった。今後も公民館・体育館の統廃合を含め不用な施設の解体を行う予定である。また財源としての基金は資産合計の29.3%と、住民一人当たり資産額では94.4万円を占め、類似団体平均値の6割となる。今後、施設整備等により減少する見込みである。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っているが、負債のうち大半を占めているのが地方債であり、地方債のうち21.7%は地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。このため、臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を大幅に上回った35.6%となっている。これは、合併後の公共施設等について、地方債を財源として整備してきたことによるものである。今後、施設の統廃合等により地方債残高は増加する傾向にあることから、必要に応じて繰上償還等を行うことにより地方債残高を減らし、将来世代の負担の減少に努める。なお、仮に、臨時財政対策債の残高を負債額から除いた場合、純資産比率は73.9%とほぼ類似団体平均値と同程度である。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っており、昨年度に比べ減少している要因は、全国的な臨時支出であるコロナ関係経費が原因であり、前年度から7.1万円減少している。また、住民一人当たりの資産が高いため、資産に伴う減価償却費や維持補修費などの行政コストも高くなる。今後、統廃合や解体等の施設減により、行政コストが低くなる見込みであるが、ウクライナ侵攻の影響による物価高騰により施設整備に遅れが生じている。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っており、負債合計は地方債償還終了により90百万円減少となっており、そのほか人口が460人減となったことにより、前年度から2万円減少となっている。今後も、本庁舎増築等の施設統廃合による地方債の増が予定されていることから、地方債の抑制や繰上償還による縮小に努める。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分(ふるさと納税寄付金+5億円)が基金の取崩し収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったことにより、類似団体平均値を大幅に上回っている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、老朽化による施設や道路や農道等の改良事業などの公共施設等の必要な整備を行ったためである。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。その要因としては、類似団体と比較して多くの公営住宅を有しており、総額として公営住宅の使用料が多いことが挙げられる。しかしながら、老朽化している施設が多く、段階的に改修・建替を行っているものの、維持補修費の増加が顕著である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化、長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。