福智町
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福智町
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2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
町内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。平成18年3月6日合併により福智町となり、合併による財政基盤の強化が図られたところである。今後は、令和2年度から課の事業統合や、支所の廃止など組織のスリム化に伴う歳出の徹底的な見直しを行い、地方税の徴収強化等の取り組み、産業の強化、雇用創出・雇用対策に重点を置き、より一層の財政基盤の強化に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は95.1%と類似団体平均を上回っている。前年度と比較して横ばいとなった主な要因は、歳入は普通交付税39百万円及び臨時財政対策債73百万円の減、歳出は中央保育所の民営化に伴う人件費及び物件費69百万円及びふるさと納税寄付金減に伴う物件費34百万円等の減によるものである。なお、公債費の合併特例債及び過疎対策債の元金償還開始に伴い74百万円増加しており、今後も増加する見込みである。そのため、令和元年度から4年間で20億円(20%以上)の削減を目標に、全体事業の費用対効果を分析して見直しを行う等の段階的な歳出の削減を図る。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
類似団体平均を上回っているのは、主に人件費が要因となっている。これは、合併前の施設がほぼ存続していることにより、人員の削減に至っていないためである。今後、3箇所の保育所を令和元年度から随時民営化へ移行し、人件費が下がることが見込まれていたが、令和2年度から臨時職員等の会計年度任用職員への移行状況により変動する可能性がある。このことから、再任用職員数を加味し、職員の新規採用数の抑制に努め、事業の見直し等を含めた機構改革を行うことによりコストの低減を図っていく方針である。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数は類似団体平均水準であるが、今後ラスパイレス指数の上昇を抑えるため次の策を講じる。現行の給与表は年功的な体系となっており、上下の職務の級間で水準の重なりも大きいものとなっている。こうした年功的な要素が強い給与表の構造を見直し、職務・職責に応じた構造への転換を図る観点から、職務の級間の給与表水準の重なりの縮小の措置を行う。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員数は、平成17年度の合併に伴い、平成18年度以降は類似団体平均を上回っている。合併による旧町の格差是正等のため、合併特例事業債を活用した施策実施による人員確保を行ったこと、また、施設の統廃合等に関わる事務事業の見直しが進まなかったことが要因の一つである。今後、事務事業の見直しや新規採用の抑制により類似団体平均の水準まで削減を行い、適切な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成17年度の合併による合併特例事業債、平成22年度に過疎指定を受けたことによる過疎対策事業債の発行により、年々元利償還金が増加した。その対策として何度か繰上償還を行った結果、実質公債費比率が減少傾向となっている。なお、令和元年度は3.9%と昨年度に比べて0.5ポイント減となり、類似団体の平均を下回った。今後、過疎対策事業等による起債や、合併特例事業債の借入限度額残り17%分及び公営住宅建設事業債の発行等により、実質公債費比率の増が見込まれる。今後も改善に努め、実質公債費比率の抑制を図る。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
充当可能財源等(交付税算入見込額14,363百万円、充当可能基金18,132百万円等)が、将来負担額(地方債の現在高20,947百万円等)を上回っており、将来負担比率は発生していない。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
平成17年度の合併に伴い、類似団体平均値以上となったが、新規採用の抑制や退職勧奨により年々改善傾向にあった。令和元年度は、昨年度と比較して1.2ポイント減少した。この要因として、公立保育所の民営化を順次すすめており、令和元年度に中央保育所の民営化による職員等の減に伴い、65百万円の減となった。なお、合併前のほとんどの施設がそのまま存続していることにより人員の削減に至っていないため、今後も施設の統廃合や事務事業の見直しを行い、人件費の更なる抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
昨年度と比較し、令和元年度は1.0ポイント減少した。主にふるさと納税寄付金の減により、ふるさと納税の事務経費34百万円が減となったことによる。物件費の数値が、類似団体と比較し低いのは、消耗品等を集中管理していること等が要因である。更に委託業務についても、業務内容を精査し、実施回数の減や委託業務の廃止等を行い、物件費の抑制に努めている。今後、給食センターの委託など、人件費削減にかかる業務の民間委託化を随時行っていくため、増加することが見込まれる。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費は10.6と昨年度と比較して0.6ポイント上昇した。この要因として、障がい者に対する更生医療、自立支援給付の額が年々増加傾向であることが挙げられる。また、中央保育所の民営化及び令和元年10月からの保育料無償化に伴い、私立保育所運営委託費が88百万円増加した。さらに、児童福祉費関係で、児童措置費について、子育て支援の観点から、保育料の減免措置や、子ども医療の対象年齢引き上げを実施しており、その分経常経費を押し上げている状況である。
その他
その他の分析欄
その他の経費に係る経常収支比率は令和元年度は13.1と、類似団体の平均値より下回っている。しかし、介護保険広域連合や後期高齢者医療に対する繰出金、さらに国民健康保険の事業及び直診勘定会計に対する繰出金等が、今後の財政を圧迫する要因であるため、徹底した経費の節減やサービスの向上による診療者数の増を図り、一般会計の負担の軽減に努める必要がある。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等の数値は、令和元年度は14.0と0.2ポイント増となり、毎年ほぼ類似団体の平均値で推移している。なお、今後は施設建設に係る田川郡東部環境衛生施設組合や消防組合等の一部事務組合に対する負担金の増額が見込まれる。また、助成団体への補助金見直しを行い、団体の実態や事業内容等を充分に精査の上、段階的な削減を図る。
公債費
公債費の分析欄
合併特例債、過疎対策事業債、公営住宅建設事業債の発行により、年々元利償還金が上昇傾向にあった。何度か地方債の繰上償還を実施し、平成30年度においても684百万円の繰上償還したことにより、大幅に元金を減らすことができた。一方、元金償還開始分96百万円により、令和元年度は昨年度と比較して1.4ポイント増加した。今後、合併特例債の借入限度額の残額分及び過疎対策事業債を有効活用しながら、同時に発行計画を再度見直し、公債費の削減を図る。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費を除く数値については、令和元年度は70.6と類似団体の平均を下回っている。扶助費及び物件費以外は、類似団体と同水準を推移しており、今後扶助費の増及び民間委託化移行による物件費の増が見込まれるため、公債費以外の数値も増加傾向になると予想される。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
・民生費は、住民一人当たり213,460円となっている。平成30年度に国民健康保険事業特別会計へ193百万円赤字補填を繰り出したため、令和元年度に11,140円減少した。また、障がい者等の扶助費が年々増加傾向にあるため、今後は増加が見込まれる。・総務費は、住民一人当たり120,862円となっており、平成27年度にふるさと納税事業費の増加に伴って年々類似団体と比較して高い状況であるが、令和元年度に前年度と比較して42,080円減少した要因は、ふるさと納税寄附金約7億円減少による基金積立の減少が主な要因である。・議会費が住民一人当たり6,663円となっており、前年度と比較して990円増加した要因は、議場の映像・音響通信システム改修に伴うもので、工事を除くと5,449円となる。類似団体平均に比べ高止まりしているのは、合併による議員数が多く、平成31年4月の町議員選挙時に2名減の18名となったが、今後も段階的に減らしていく予定である。・公債費が住民一人当たり90,519円と類似団体と比較して高くなっている。平成30年度に繰上償還を684百万円行ったことから、令和元年度は24,602円減少した。金田小中学校施設整備費などの大規模な改修費用に対して、過疎対策債等を活用したことにより、翌年度以降も増加する見込みである。・教育費が住民一人当たり164,684円と、前年度と比較して29,934円増加した主な要因は金田小中学校整備であり、令和3年度以降の小学校整備の進捗状況により大幅に増減することが見込まれる。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
・歳出決算総額は、住民一人当たり753,972円となっており、平成30年度から55,172円減少した。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり92,545円となっており、ほぼ横ばいとなっている。理由として、合併前からの施設が統廃合せずに存続しているため、施設に配置する職員等の減少よりも、分母の人口の減少が大きいことが主な要因である。また、公債費は平成30年度に繰上償還684百万円を行ったことにより、令和元年度で急激に減少したものの、90,519円と類似団体と比べて高い状況である。・普通建設事業費(うち更新整備)は一人当たり165,101円となっており、類人団体と比べて高い水準となっている。この要因は金田小中学校施設整備で1,060百万円増加したことによる。今後も施設の統廃合を検討しているため、高い状況が続くと見込まれる。・扶助費は住民一人当たり121,119円となっており、類似団体と比較して一人当たりのコストが高い状況となっている。これは、障がい者施設増加に伴う障がい者の増加による自立支援医療費や更生医療費に、町内に12保育所があることが主な要因として挙げられ、今後も増加が見込まれる。・維持補修費は住民一人当たり13,879円と、類似団体と比較して高い水準となっている要因は、老朽化している公営住宅の維持経費や町道や農道などのインフラ整備の補修費が積み重なったためである。今後も同様の状況が続くと見込まれる。・令和元年度の積立金が住民一人当たり75,496円と類似団体と比べて高いのは、ふるさと納税寄附金分590百万円を全て積み立て、次年度以降に目的別に活用していく流れをとっているためである。なお、昨年度と比較して寄付金が約7億円減少したため、27,286円減少した。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄
財政調整基金残高については、適切な財源の確保と歳出の精査により取崩しを回避しており、前年度とほぼ同額である約12億円を維持している。比率については、分母となる標準財政規模の額によって、毎年若干の増減が見られる。実質収支額については、国保及び診療所会計の赤字を一般会計等の黒字で補っている状況であり、令和元年度に10.79%と3.78%増額となった主な要因は、令和元年度から黒字である水道事業会計が田川広域水道企業団に経営統合したため、一般会計のみで黒字を補っていく必要があったことによる。但し、財政力に十分余裕があるという訳ではなく、本町の基金を取崩し、また多額の地方債の発行により黒字を計上している状況である。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄
連結実質赤字比率に係る、各特別会計の赤字・黒字の状況は上図のとおりで、国保会計及び診療所会計の赤字額を、一般会計を含む他会計の黒字で補っている状況である。国民健康保険特別会計については年々赤字額が拡大し、平成25年度決算では1,075百万円の実質赤字となっていた。この解消に向けて、平成30年度までに一般会計から国保会計への赤字補填財源繰出金として1,613百万円を実施し、平成30年度の県移行時には赤字解消に至った。令和元年度は、歳入の普通交付金の不足分が翌年度で交付されるため、一時的な赤字状態となった。また、国民健康保険福智町立診療所特別会計においても、平成28年度に一般会計から赤字補填財源繰出金として300百万円を実施したものの、昨年度から比較して約130百万円の赤字となり、令和元年度末で558百万円の赤字額になった。今後も、毎年赤字額が同程度増加する見込みである。今後は、令和4年度に2診療所の統合を行うことで、人件費や維持経費の減による赤字解消を目指す。また、予防事業の促進、多重受診の抑制、また国民健康保険税の徴収率の向上を徹底し、単年度の赤字額縮小に努める。
実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄
実質公債費比率の分子について、近年元利償還額は横ばいを保っている。令和元年度は合併特例債及び過疎対策事業債の元金償還開始に伴う96百万円増加の一方、平成30年度に行った繰上償還684百万円の効果により、実質公債費比率の分子は前年度と比較して7百万円の減となった。今後、公営住宅や学校等の公共施設の改修に対する起債発行により、元利償還額の増加が見込まれる。そのため、合併特例債及び過疎対策事業債、公営住宅建設事業債等を含めた地方債全体の計画的発行を図る必要がある。なお、後年度普通交付税に算入される額を含む、算入公債費等の額については、平成27年度以降、元利償還金に対する90%以上が算入されており、次年度以降も算入率70%以上は維持できる見込みである。合併特例事業債の起債終了後はこの算入率は減少することが予想される。
分析欄:減債基金
満期一括償還地方債の償還の財源として、積立はしていない。
将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄
将来負担比率(分子)については、平成27年度以降全ての年度において、将来負担額を充当可能財源等が上回っている状況である。特に、一般会計等に係る地方債現在高は、横ばいを保っている。令和元年度末の現在高は20,947百万円と前年度と比較して600百万円増加した。主な要因は小中学校建設等に伴う新発債発行の増で、前年度と比較して過疎対策事業債278百万円及び学校教育施設等整備事業債249百万円が増となった。これに対し充当可能財源等について、特定目的基金を含む充当可能基金は180億円前後を推移しており、今後は地方債の増加等に伴い基金の取崩しを予定しているため、減少傾向となる見込みである。基準財政需要額算入見込額は、令和元年度は144億円となっており、地方債残高の68.6%を占めている。今後も、この数値は大きな変動はないと見込まれる。
基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)公共施設等の維持管理や更新経費に708百万円、地方債償還の財源充当として999百万円、ふるさと納税返礼品等の経費や図書館・歴史資料館経費、ふるさと納税を活用した定住促進や保育料第三子以降軽減分等の町独自費用として435百万円取り崩した一方、ふるさと納税寄附金の増加により使途目的に沿った基金へ590百万円積み立てたこと、決算剰余金を825百万円積み立てたこと等により、基金全体としては434百万円の減少となった。(今後の方針)ふるさと納税寄附金の増減が、基金への積立金に影響する見込みである。また、施設の老朽化や統廃合等に伴い、基金の取崩しを行う予定であること、地方債の増加に伴い減債基金の減少が見込まれることなどから、全体的に減少傾向にある。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)農業用施設災害対応により2百万円取り崩した一方、債券運用利子による収益28百万円による増。(今後の方針)災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、11億円程度を目処に積み立てることとしている。
減債基金
減債基金
(増減理由)運用利息及び決算剰余金等を615百万円積立による増加した一方、地方債の償還に充当するため999百万円取り崩したことによる減。(今後の方針)小中学校施設整備や残りの合併特例債、施設の統廃合に伴う起債を予定しているため、新発債増に伴う地方債償還に備えて毎年度計画的に積立てを行う予定である。同時に地方債償還による基金の取崩しを行うことから、令和元年度以降は減少予定である。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・かんがい施設維持管理基金:鉱害復旧事業により合併前の旧町毎に設置しており、かんがい施設の維持管理及びその施設更新に関する経費の財源に充てている。・振興基金:平成18年度に合併特例事業債1,703百万円を受け入れて同額を積立し、債券運用収益にて増加している。合併に伴う旧町間の格差是正等などのソフト事業に充当する。(増減理由)・公共施設整備基金:金田小中学校整備に伴う地方債対象外経費等の一般財源分や、町道や農道などの更新整備により470百万円取り崩した一方、ふるさと納税経費59百万円、決算剰余金303百万円を積立てたことにより、82百万円の減少。・振興基金:合併に伴う旧町間の格差是正等などのソフト事業に94百万円を取り崩した一方、運用利息により28百万円積み立てたことにより、66百万円の減少。・教育振興基金:図書館経費等の一般財源分として99百万円を取り崩した一方、ふるさと納税経費78百万円及び決算剰余金100百万円を積立てたこと等により、91百万円の増加。(今後の方針)・公共施設整備基金:合併前に旧町毎に整備した公共施設が統廃合されずに存続しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多い。また、老朽化施設も多いため、今後更新を含めた施設の統廃合等を行うにあたり、毎年1億円程度の積立を行う予定。但し、更新整備のため毎年2億円以上基金を取り崩す予定のため、今後も減少する見込みである。・地域振興基金:基金はほぼふるさと納税寄附金による積立金で占められているため、今後のふるさと納税の状況により変動する見込みである。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率について、令和元年度は57.4と類似団体と比較して3.3ポイント低い状況である。平成30年度と比較して1.2ポイント減少となっており、これは令和元年度に金田義務教育学校が建設され、有形固定資産額の増よりも、既存施設の当年度有形固定資産減価償却額が低かったことによる。福智町では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を今後40年間で19.5%以上削減するという目標を掲げており、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進める必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還可能年数は類似団体を下回っており、主な要因としては、平成28年度、平成30年度において繰上償還を行い、地方債残高を約16億円減少させたことである。今後、発行終了の既発債もあるが、施設の統廃合等にかかる新発債を発行予定であるため、今後高くなる見込みである。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
有形固定資産減価償却率は類似団体とほぼ同水準となっている。しかし、合併前に旧町毎に整備した公共施設が統廃合されずに存続しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多い。また保有施設の多くは老朽化により改修や改築を行っている状況であるため、類似団体平均値を少し下回っている。今後、施設を存続させるにあたって、多額の予算が必要になることから、公共施設等総合管理計画に基づいて施設の集約化等を検討する必要がある。将来負担比率は平成21年度以降全ての年度において、将来負担額を充当可能財源等が上回っている状況である。今後もその比率は維持できる見込みである。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は、平成24年度の公債費繰上償還が功を奏して徐々に低くなり、平成26年度から類似団体を下回っている状況である。また、平成28年度末に約9億円、平成30年度にも約7億円の繰上償還を行ったため、低い比率が維持できる見込みである。将来負担比率は平成21年度以降全ての年度において、将来負担額を充当可能財源等が上回っている状況である。今後もその比率は維持できる見込みである。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、橋りょう、保育所、公民館であり、特に低くなっている施設は、学校施設、児童館である。橋りょうについては、昭和に建設されたものが83%をしめているため、高い水準となっている。特に古いもので50年以上経過しているため、橋梁長寿命化計画修繕計画に沿って整備を行っていく予定である。公民館については、平成28年度に支所機能を中央公民館内に移動するにあたり改修した際、固定資産台帳上の累計減価償却費がリセットされていたため、平成29~30年度は低くなっているが、令和元年度で修正し、正しい減価償却率となっている。今後は、令和3年度末で支所を廃止予定であり、公民館等、合併前から存在する公共施設の統廃合や利用見直しなどを検討していることから、有形固定資産減価償却率は低下することが予想される。保育所については、3施設ある保育所のうち、中央保育所が令和元年度に民営化となり、有形固定資産減価償却率が増となっている。令和2年度には神崎保育所が民営化し、今後すべての保育所が民営化に移行する予定である。学校施設については、平成25年に赤池中学校の建替、令和元年度に金田小中学校建替により金田義務教育学校が新設されたため、有形固定資産減価償却率は低下している。児童館は、平成15年に児童センターを建設したため、類似団体より低くなっている。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一般廃棄物処理施設、体育館・プール、福祉施設であり、低くなっている施設は、図書館、保健センター、庁舎、消防施設、市民会館である。一般廃棄物処理施設は、下田川衛生施設組合から田川地区広域環境衛生施設組合の施設に移行予定であるため、移行後は低下傾向となる。体育館・プールに関しては、建築から30年前後経過しているため、有形固定資産減価償却率は高い水準となっている。合併前の体育館をそのまま現存しているため、今後、改修等が見込まれることや、維持経費がかさむことを鑑み、施設の集約化に取り組んでいく必要がある。図書館は、平成29年3月に既存施設の大規模改修により開設したため、有形固定資産減価償却率は低くなっている。保健センターは、平成17年建設のコスモス保健センターが主な要因であり、また市民会館は、平成15年建設の地域交流センターにより、類似団体より低くなっている。庁舎は、本庁舎と旧町の2支所で、どれも平成8年~11年に建替を行っており、類似団体と比べて若干低くなっている。
財務書類に関する情報①(2019年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から3,598百万円の増加(+5.4%)となった。金額の変動が大きいものは有形固定資産の事業用資産内の建物であり、主に金田義務教育学校の整備に伴い1,628百万円の増加となった。また、負債総額が前年度末から602百万円の増額(+2.6%)となった。金額の変動が最も大きいものは固定負債の地方債であり、前年度と比較して521百万円(+2.81%)増額した。これは主に令和元年度に金田義務教育学校整備に係る地方債1,032百万円を発行したことによる変動である。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は11,892百万円であり、前年度比645百万円の減額(▲5.1%)となった。そのうち人件費等の業務費用は7,524百万円(前年度比▲2.7%)、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,368百万円(前年度比▲9.1%)であり、業務費用の方が移転費用よりも多い。最も金額が大きいのは物件費や減価償却費を含む物件費等(5,279百万円、前年度比▲3.5%)で、経常費用の44.4%を占めている。本年度の主な増減理由は移転費用の他会計繰出金(255百万円)及び補助金等(231百万円)であり、平成30年度に国民健康保険特別会計の赤字補てんによる繰出金193百万円、水道会計の広域化準備に伴う補助金110百万円及び認定こども園整備費補助金154百万円の支出したことにより、令和元年度の純行政コストは730百万円の減額となった。今後、公共施設等の適正管理により、施設や事業の統廃合等に着手する予定であり、より一層の経費の縮減に努める。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等及び国県等補助金の財源(12,172百万円)が純行政コスト(10,798百万円)を上回ったことから、本年度差額は1,374百万円(前年度比+445百万円)となり、純資産残高は2,996百万円増額の46,770百万円となった。特に、無形固定資産の未計上(1,874百万円)による増額が主な要因である。また、令和元年度は行政コストの他会計繰出金による赤字補てん分が前年度比193百万円減及び補助金等が前年度比231百万円減であったこと等も要因の一つとなっている。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は1,790百万円であったが、投資活動収支については、地方債を発行して、金田義務教育学校の整備や老朽化による施設や道路や農道等の改良事業などの公共施設等の必要な整備を行ったことから△1,449百万円となった。財務活動収支については、主に金田義務教育学校の整備等にかかる地方債発行収入が地方債償還額を上回ったことから、600百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から941百万円増加し、1,458百万円となった。行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であることや、施設や工作物の老朽化に伴う整備費用が今後の財政状況を圧迫していくと考えられることから、行財政改革を更に推進する必要がある。
財務書類に関する情報②(2019年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり試算額は、合併前に旧町毎に整備した公共施設が統廃合されずに存続しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っている。保有施設数の多くは老朽化している施設であるが、現状統廃合をせずに改修や改築を行っている状況であるため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を少し下回っている程度である。今後、将来の公共施設等の修繕や更新等にかかる財政負担を軽減するため、平成28年度に策定した公共施設等総合監理計画に基づき、全体的な事業や施設の集約化・統廃合を進め、施設保有量の適正化に取り組む。なお、令和3年度末で2支所を廃止し、本庁舎に教育委員会以外の全ての課を集約するための本庁舎増改築や、公民館・体育館の統廃合を行う一方、不用な施設の解体を行う予定である。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っているが、負債のうち大半を占めているのが地方債であり、地方債のうち22.8%は地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。このため、臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を大幅に上回った35.2%となっている。これは、合併後の公共施設等について、地方債を財源として整備してきたとによる。今後、施設の統廃合等により地方債残高は増加する傾向にあることから、必要に応じて繰上償還等を行うことにより地方債残高を減らし、将来世代の負担の減少に努める。なお、仮に、臨時財政対策債の残高を負債額から除いた場合、純資産比率は73.0%とほぼ類似団体平均値と同程度である。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っており、また昨年度に比べて減額している要因は、平成30年度に国民健康保険特別会計の赤字補てんによる繰出金を193百万円支出したことや水道会計の広域化に伴う準備金として110百万円の補助金等を行ったことによる純行政コストの減額と、人口減(▲371人)の影響により、前年度から2.4万円減額している。また、住民一人当たりの資産が高いため、資産に伴う減価償却費や維持補修費などの行政コストも高くなる。今後、統廃合や解体等の施設減により、行政コストが低くなる見込みである。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っており、平成30年度に684百万円繰上償還を行い地方債減少に努めたものの、金田義務教育整備にかかる地方債発行(1,032百万円)の増加に伴い、前年度から4.4万円増額となっている。今後も、本庁舎増築等の施設統廃合による地方債の増が予定されていることから、地方債の抑制や繰上償還による縮小に努める。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩し収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったことにより、類似団体平均値を大幅に上回っている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、小中学校整備や、老朽化による施設や道路や農道等の改良事業などの公共施設等の必要な整備を行ったためである。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、類似団体平均を上回っている状況にある。その要因としては、類似団体と比較して多くの公営住宅を有しており、総額として公営住宅の使用料が多いことが挙げられる。しかしながら、老朽化している施設が多く、段階的に改修・建替を行っているものの、維持補修費の増加が顕著である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化、長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。