経営の健全性・効率性について
①北九州市への徴収委託・検針方法の変更の影響により若干の凸凹はあるものの、料金収入の増加、一般会計からの繰入金の増加により、比率は改善がみられている。ただし、今後さらなる繰入金の増加は厳しい状況にある。また、H37の概成に向けて整備を進めている関係で、起債の償還額は増え続けるため、収益的収支比率は横ばいもしくは悪化することも考えられる。④H37概成に向け投資を進めており、企業債の残高自体は増加傾向にあるが、料金収入が伸びているため比率は減少している。おおむね、適切に建設投資がされているものと考えられる。また、一般会計からの繰入金の依存度を下げるべく資本費平準化債をH29年度から借り入れる。さらには、老朽管渠の状況次第では、さらなる借入も予想される。⑤回収率はほぼ横ばいであり、足りない部分を一般会計からの繰入金でまかなっており、依存度が増している。⑥流域下水道に接続しているため、汚水処理費用単価が一定であり、今後も同等の数値で推移していく。⑧水洗化率は今後も伸びてはいくものの伸び率は鈍化するものと思われる。
老朽化の状況について
供用開始後22年だが、民間開発により整備が行われ、贈与を受けた下水道管渠は最も古いもので40年(耐用年数50年)が経過。30年以上が経過した管渠の延長も9kmを超えている。これは、27年度までに整備した管渠の1割程度に相当する。そこで今後、ストックマネジメント(長寿命化)計画を策定し、管渠更新事業も計画していく必要がある。
全体総括
H37概成に向け、管渠整備を進めるため、地方債の借入金額は増加する。また、一般会計からの繰入金の増加が見込めない中で収益を改善するためには、①経費の削減②水洗化率の向上③老朽管渠の長寿命化④資本費平準化債の借入⑤一般会計負担の在り方の検討⑥適正な料金水準の検討などに取り組んでいかなければならない。