経営の健全性・効率性について
収益的収支比率においては使用料収入のみでの経営が困難であるため一般会計からの繰入等により、施設の維持管理費、起債償還金及び利息等を賄っている状況である。平成27年度に、公共下水道整備事業が完了し、整備区域全域が供用開始したため、施設使用率については使用率が30%も満たない状態となっているが今後接続率が上昇することで施設使用率の上昇が見込まれる。汚水処理原価については機械設備の更新等が供用開始から年数を経ていることから修繕・更新を行っているが昨年度は修繕機器類が少なかったため類似団体と比較して低くなっている。処理機器類の経年劣化及び、処理区域内の人口は年々減少しており節水意識の向上及び節水機器の普及により処理水量が減少することが予測され維持管理費に係る経費は増額していき経費回収率は低下していくと考えられる。
老朽化の状況について
③管渠改善率については整備年度が新しいため法定耐用年数を超える管渠がなく更新等を行っていないが、不明水等が流入しておりポンプ等の機器類に負荷をかけているため、流入箇所の特定を行い、対処していく。また、下水浄化センターの施設、処理機器類に関しては設置当初から機器等の更新を行わず経年劣化による故障等が見受けられることから、下水道施設のストックマネジメント事業を実施していき計画的な修繕を行っていく予定である。
全体総括
使用料収入のみでの事業会計が賄われないため、一般会計からの繰入等の収益で賄っているが、平成28年度に整備区域全域の供用が完了しており、今後新たな設備投資を行う予定はない。そのため今後、企業債残高は減少していく傾向であること、接続率の上昇が見込まれること及び料金改定を行ったため使用料収入増が見込まれる。管渠の老朽化については、整備年度が新しいため、施設及び管渠等の更新を行なっていないが、下水浄化センター等の処理施設及び機器類の老朽化に対応していくためにストックマネジメントを実施していき計画的な設備の更新を順次行うことにより、健全な経営を目指していきたい。