地域において担っている役割
勝浦町では唯一の医療機関(歯科診療所は2カ所あり)、また、勝浦郡内唯一の有床診療施設(平成29年度からは救急告示病院、令和元年度からはへき地拠点病院となっている)であり、本地域の地域包括システムの医療機能を担っている。地域住民のかかりつけ病院として、急性期医療機関や介護老人福祉施設など介護施設との連携、更には在宅医療の推進など、医療のみならず介護・保健・福祉等の各分野との連携も進めている。R3においては、町内唯一の新型コロナワクチン接種会場となるなど、地域の感染対策の重要拠点となっている。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染症の影響もあり令和2年度には医業収支比率が最低水準まで落ち込んでいたが、病床利用率などの回復もあり医業収支比率が回復している。外部委託については、直営で行っていた医事業務の外部委託2年目となり、外来単価の増などの効果が見受けられる。令和4年度以降新病院での経営となることもあり、更に効率化を進め、経営の健全化を図る。
老朽化の状況について
施設全体の老朽化が進み、効率性や安全性、更には快適性に欠けた医療施設になっていたが、令和2年に着工した改築(本体)工事が完了(一部令和4年度工事有り)し、令和4年4月に新築移転、令和4年度以降外構等の工事を行い、令和5年10月にすべてが完成の予定である。建設仮勘定に置くべき資産を建物に登録したため有形固定資産額が大きくなっており、令和4年度において正しく修正し、今後減価償却を行っていく。新しい環境で患者サービスの向上を図る。
全体総括
令和元年度末からの新型コロナウイルス感染症の影響による入院患者数の減少から回復傾向にあり医業収支比率は増加しているが外来患者の減少は続いている。病院改築事業に伴い施設の老朽化等については改善され、今後新病院効果に期待する。新しくなり、公立病院改革に係る取り組みとして病床削減(60床を50床)し、床利用率80%への取り組みとして、便利になる病棟での入院機能を十分発揮し、周辺他病院(高次病院)や他施設と機能分化・連携を密にすることにより入院収益の増を図る必要がある。