経営の健全性・効率性について
事業開始以来、快適な生活環境の整備を目指して管渠整備に投資を行ってきたが、平成29年度末で普及率が97%に迫る整備率となり、水洗化率では⑧表のとおり未水洗化世帯への戸別訪問による啓発を行ったことで95%を超えている。毎年度の地方債償還金が費用の大部分を占め、①表収益的収支比率が100%を下回った状態が続いており、汚水処理費を使用料収入で賄えていない状態となっているが、徐々に改善傾向にある。①表の平成27年度数値が一時下降しているのは地方債の繰上償還を行ったことが要因となっている。平成27年度に使用料値上げの料金改定を行ったことにより⑤表経費回収率の改善が見られ、平成29年度も類似団体を上回っており、ほぼ100%に近い値となっている。また、⑥表の汚水処理原価については、経費削減により前年度と比較して約10円の削減となった。
老朽化の状況について
本町の下水道は、平成5年から供用を開始しており、耐用年数未満の管渠のため管渠改善率は0%であるが、布設後30年を迎える管渠があり、今後の更新経費が懸念される。
全体総括
経費削減を行いながら事業運営しているものの地方債残高が多く、単年度の地方債償還金が嵩むため総費用を下水道使用料で賄えていない状態が続いている。平成27年度に下水道使用料値上げの料金改定を行い、平成29年度も引き続き未収金回収など収入増に努めながら大きな負担となっている維持管理経費の更なる節減に取り組み、適正な料金単価を検討しながら経営改善に努力している。また、固定資産については、更新時期未到来の資産が多いが、優先順位を付け計画的な更新を行う。