経営の健全性・効率性について
処理区域内人口密度が300人未満、計画人口170人における平成28年度現在処理区域内人口が38人(前年比▲3人)の小規模事業区です。①「収益的収支比率」は、平成28年度60.18%と前年比3.39%上昇しました。これは総費用のうち「経営戦略策定」経費に係る一般会計繰入金の増加や、人口減による使用料収入の減少対応としての赤字補填繰入金に支えられたものです。④「企業債残対事業規模比率は、本町の平成28年度一般会計負担を控除した比率では4,206.23%(本町26年度より▲269.22%減)ですが、28年度において「分流式汚水資本費」に係る一般会計繰出金について、営業収益(使用料収入)で賄えない企業債元利償還金全額を基準内繰出金に改めたことから、本町数値は0.00%となりました。⑤「経費回収率」は、平成28年度の類似団体平均値で38.49%(前年度比0.21%上昇)ですが、本町は31.44%(前年度比▲2.87%低下)と格差が出ています。これは使用料減収するなか、処理場機器故障により不具合修繕を実施したためです。⑥「汚水処理原価」は、平成28年度の類似団体平均値で479.21円(前年度比10.85円増)に対し、本町は963.99円(前年度比91.19円増)と処理原価は依然高い状況です。これは人口減少による有収水量減少が汚水処理経費の縮減を上回ったことによるものです。
老朽化の状況について
林業集落排水施設は現在2施設在り、平成11年と12年供用開始であることから約17年経過しています。両施設とも集落間が離れ、他の集合処理施設との統合が困難なことから、経年劣化に係る今後の施設修繕費の増加を見すえ、長寿命化に向けた投資計画策定や「経営戦略」(平成28年度策定)を基に改善策に取組む必要があります。
全体総括
旧3町ごとに異なっていた料金体系を平成23年度に従量制に統一化し、現在1カ月20㎥当り換算の家庭料金が4,104円と全国平均で見ても相当高額な使用料金体制となっています。過疎・高齢化の最も激しい地域であり処理区域内人口が減少しするなか、この高料金下にあっても一般会計繰入金を充当しなければ経営を維持できない現状を踏まえ、老朽化対策等の安定した環境保全を維持して行くためには、汚水処理経費の一層の削減に努め、また徹底した使用料収入の確保を図りつつ、より最適な処理方法及び適正規模運営を実施して行く必要があります。加えて「広域連携]等による施設の維持管理等に関する効率化・低コスト化を図る取組みが急務となっています。