経営の健全性・効率性について
処理区域内人口密度が300人未満、計画人口170人における平成27年度現在処理区域内人口が41人(前年比▲5人)となっています。①「収益的収支比率」は、処理区内人口の減少により使用料収入が減少し、加えて地方債償還金が前年度に比べて増加したことから収支比率は低下しました。一方④「企業債残対事業規模比率」については、地方債現在高から差引かれる一般会計負担額(基準内繰入金:元金償還分)の見直しにより前年までと比較し、大きく減少しています。また⑤「経費回収率」では、類似団体比較で平成24年度が4.59%差でしたが、平成27年度には3.97%差まで縮減しました。これは職員数削減による費用縮小が、使用料の減収幅を上回ったのが主要因です。なお、平成26年度までの本町推移と27年数値が大きく改善したのは、汚水処理費の内、控除される公費負担分(基準内繰入金)の精査により、回収率を見直したためです。(⑥「汚水処理原価」も同様)今後も居住人口の増加が見込めない事業区であることから、従来どおりの維持管理費の削減方法では大幅な経営改善は図れません。このため維持管理業務の「広域連携」等の推進や、{京都丹波高原国定公園}整備関連の入込み客増加を近隣市町と一体となって進めるなかで、(公衆トイレ水洗化整備)等により、現有施設の利用拡大を図る必要が有ります。
老朽化の状況について
林業集落排水施設は現在2施設在り、平成11年と12年供用開始であることから約16年経過しています。両施設とも集落間が離れ、他の集合処理施設との統合が困難なことから、今後の施設修繕費の増加を見すえ、長寿命化等の経営改善や投資計画策定に取り組む必要が在ります。
全体総括
本町の下水道事業は現在5事業を経営中であり、旧3町ごとに異なっていた料金体系を平成23年度に統一化し、その後3か年の経過措置期間を設け現在に至っています。1か月20㎥当り換算の家庭料金が現在4,104円と高料金であるため、料金単価の引き上げは相当困難な状況です。過疎・高齢化の最も激しい地域で在り、処理地域内人口が減少し老朽化対策コストが増す中、今後も安定した環境保全並びに汚水処理対策を維持して行くためには、汚水処理経費の一層の削減に努め、また徹底した使用料収入の確保を図りつつ、より最適な処理方法及び適正規模運営を検討し実施して行く必要があります。