地域において担っている役割
当院は、1市4町からなる湖東保健医療圏唯一の公立病院、また基幹病院として、救急医療や小児医療、周産期医療といった採算をとることが難しい部門を担っている他、がん治療などの高度医療を提供している。また、在宅診療科を院内標榜し、在宅医療支援室を設置するとともに、平成30年3月に地域医療支援病院の承認を受けるなど、在宅医療の推進に努めている。
経営の健全性・効率性について
【健全性】平成29年度は、⑤入院患者1人1日あたり収益が類似病院平均値を564円上回るなど大きく向上したことに加え、患者数も増加したことにより、②医業収支比率も類似病院平均値を上回るなど、経営成績は大きく改善した。しかし、①経常収支比率はいまだ類似病院平均値を下回ることや③累積欠損金比率の値からも、さらに経営の改善を図る必要がある。【効率性】昨年度からの改善は見られるものの、④病床利用率が類似病院平均値を下回ることや、⑦職員給与費対医業収益比率が類似病院平均値を上回っていることからも、他病院より効率性が劣っていることがわかる。
老朽化の状況について
現在の建物は平成14年度に完成したもので、①有形固定資産減価償却率から考えると類似病院平均値と比べ比較的新しいと考えられるものの、設備面での不具合も発生してきており、長寿命化を前提とした施設の総合管理計画を策定し、それに基づいた更新を行う必要がある。(平成31年度策定予定)医療機器についても、平成14年度の移転新築時に導入した機器の老朽化が進行しているが、経営状況が芳しくないため更新があまり進まず、②機械備品減価償却率は類似病院平均値より高くなっている。
全体総括
地域の診療所や他病院と紹介・逆紹介をしあう地域連携を強化した結果、患者数の増加や重症患者を診察することによる1人1日当たりの収益の向上など、経営状況は確実に改善してきており、今後もこの活動を継続して行き、さらなる経営改善を進めていく。施設の面については、長期的な視点から判断して経済的で安全安心な管理が出来るよう、総合管理計画の策定を検討していく。