地域において担っている役割
森町は、歯科以外の民間の開業医院が6診療所と少なく、森町病院と併設する森町家庭医療クリニックで、外来医療、在宅医療を担っている。また、町内唯一の病院として、一般急性期から回復期までの入院医療と二次救急医療を担い、地域密着型の医療を展開している。
経営の健全性・効率性について
森町病院は、3つの一般急性期病棟としてスタートしたが、平成21年にそのうちの1つを回復期リハビリテーション病棟とした。その後、診療報酬の改定で地域包括ケア病床ができたことから、平成26年6月に急性期病棟の中に地域包括ケア病床3床を導入し、徐々に病床数を増やし、平成28年3月には地域包括ケア病棟とし、3つの病棟を機能別(一般急性期、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟)に再編した。その結果、患者のニーズに応えることで、病床稼働率を高め収益の確保を図った。また、委託料等の経費削減や人員の適正化に努め、医業収支比率を改善することができた。ただし、累積欠損金比率については、過去に経営状況が厳しい年が続いたため高い比率となっている。また、外来患者1人1日当たりの単価については、透析治療がないことや非常勤診療科等単価の低い部門も加味されているため、低く推移している。
老朽化の状況について
平成9年に建設され、建設後21年が経過し、建物、設備、医療機器等に修理の必要な箇所も出てきている。また、部品供給が停止するものを出てきているので、計画的に更新する必要がある。こまめな部品交換、建物、設備の定期的なメンテナンスを行うことで長寿化を図っている。
全体総括
平成29年度は、第4次経営改革プランの1年目であり、病棟の安定的運営、経費の適正化など経営の効率化と目標達成に向けて取り組んできた。特に、病棟については、平成28年3月に病棟再編により3つの病棟をそれぞれ機能別に分化し、一般急性期病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟とした。この3つの病棟を患者の病状と入院目的により機能させ、ベッドコントロール会議を毎週行い、効率的な病棟運営に努めてきた。以上の結果、経常収支比率、医業収支比率ともに近年で最も良い数値を残すことが出来た。