経営の健全性・効率性について
経常損益における収益面においては、給水人口減少により一般家庭使用水量が減少する一方、事業系需要家の水量が伸びているため給水収益が増加している。その分平成29年度は一般会計からの繰入額を減額しており、経常収支比率が前年度を下回っているのはそのためである。また、給水収益の増加に伴いこれまで100%を下回っていた料金回収率が上昇し、類似団体平均並に改善している。効率性については、使用水量の増加により施設利用率が高くなっているが、有収率に大きな変動はみられない。近年、漏水が多く発生している箇所を優先的に管路の更新を進めているが、今後も引き続き計画的に老朽管更新等を進めていくことで、有収率の改善を図りたい。
老朽化の状況について
当水道事業は昭和49年に認可を受け、昭和54年から事業を開始している。平成25、26年度の管路経年化率が高くなっているが、これは昭和54年事業開始時に取得した管路を、昭和49年事業認可以降事業開始までの間に布設したものとみなして計上したためで、正しくは平成25年度0.65、平成26年度0.64となる。しかしながら、事業開始時に取得した管路が法定耐用年数に達する平成30年度には、40%を超える見込みである。管路更新率は報告数値に誤りがあり、正しくは平成25年度1.68、平成28年度2.03である。事業の繰越があった平成27年度を除いて類似団体平均を上回っているが、更新需要の高まりを見据えて、事業費を平準化しながら計画的に更新する必要がある。
全体総括
当町の人口は減少傾向であり、それに伴い給水人口も減少している。給水収益は事業系需要家の使用水量増加により一時的に増加しているが、今後減少が予想される。一方で、事業創設時に整備した管路や施設が次々と更新時期を迎え、事業費が増加することが見込まれる。当水道事業が、将来にわたって安定的に事業を継続していくためにも、平成30年度に行っているアセットマネジメントの結果や経営戦略に基づき、今後の更新需要を踏まえた料金の適正化について検討し、合わせて費用の節減に取り組んでいく。