経営の健全性・効率性について
経営収支比率は、110%以上を確保してはいるものの、ここ数年での平均値は、ほぼ横ばい傾向となっており、5ヶ年全体の傾向では、人口減少等による加入者の減少に伴い、給水収益は年々減少傾向にある。一方で、短期的支払能力を示す流動比率は、平成27年度以降は、工事費の未払により流動負債が増大し、流動比率は低水準になったが、平成29年度以降は、工事費の未払が無くなり、流動負債が減少したため、流動比率は高水準となって来ている。また債務残高については、健全かつ計画的な状態で維持・推移している。料金回収率は、110%台付近で推移している現状からも、今後の料金改定による収益の改善が課題であり、水道料金の改定を視野に入れた増収計画が必要となって来ている。一方で給水原価は、100円台で維持・推移しており、類似団体との比較においても低めに抑えている。施設利用率は、加入者が減少傾向にある現状の使用量の減少から、年々下落傾向にあるが、ここ数年は横ばいに推移している。有収率は平成29年度を境に上昇傾向にあるが、70%台で推移しており、類似団体平均値と比較した場合、低い状態で推移しているため、今後も漏水調査等を継続的に行い改善を図り、更なる有収率の向上を図って行く必要がある。
老朽化の状況について
施設全体での減価償却状況は、ほぼ50%台で推移しているが、類似団体平均との比較においても若干、高い数値を示している。一方、管路経年化率及び管路更新率の状況において、管路経年化率は40年以上経過した水道管を対象としているが、令和元年度の配管図の見直しにより、対応年数を超えた配管が年々増加していることが判明した。当町の計画上、配水池耐震化を最優先としているため、令和3年度に完成予定の耐震診断結果により、配水池の耐震化を進め、配水池耐震化工事の完成次第、管路の更新を進めて行く予定である。
全体総括
年々、給水収益も下落傾向にあり、また人口の減少といった流れも深刻化している現状の一方で、施設や管路等の設備の維持・更新も計画的に実施していかなければならない中で、このままの推移で続けば、近い将来には費用が収益を逆転する流れの中にあり、料金改定を計画的かつ現実的に検討する時期にあるといえる。