経営の健全性・効率性について
経営収支比率は、120%を確保してはいるものの、ここ数年での平均値は、ほぼ横ばい傾向となっており、5ヶ年全体の傾向では、人口減少等による加入者の減少に伴い、給水収益は年々減少傾向にある。一方で、短期的支払能力を示す流動比率は、平成26年度以降は、企業債の償還開始や未払消費税の増大等により、低水準で推移している。また債務残高については、健全かつ計画的な状態で維持・推移している。料金回収率は、110%台付近で推移している現状からも、今後の料金改定による収益の改善が課題であり、水道料金の改定を視野に入れた増収計画が必要となって来ている。一方で給水原価は、100円台前後で維持・推移しており、類似団体との比較においても低めに抑えている。施設利用率は、加入者が減少傾向にある現状の使用量の減少から、年々下落傾向にあるが、ここ数年は横ばいに推移している。また、観光シーズンの利用率増を見込んでいるので平均利用率は低めである。有収率は70%台であるものの、類似団体平均値と比較した場合、依然として低い状態で推移しており、漏水調査等を継続的に行い改善を図り、更なる有収率の向上を図って行く必要があるが、近年は漏水修繕の効果が徐々に表れてきている。
老朽化の状況について
施設全体での減価償却状況は、ほぼ50%台で推移しているが、類似団体平均との比較においても若干、高い数値を示している。一方、管路の経年化の状況においては、40年以上経過した水道管を対象とし、年々増加傾向にある。正しくはH26で12.8%・H29で15.0%・H30で15.2%と、増加傾向にあり、近年管路更新がなされていない為である。管路更新率については、ここ数年ゼロ推移が続いているが、当町の計画上、各配水池耐震化を最優先としているため、今後も暫くは、ほぼゼロ推移が見込まれる。なお、配水池完成後は、順次、管路を更新していく計画である。
全体総括
年々、給水収益も下落傾向にあり、また人口の減少といった流れも深刻化している現状の一方で、施設や管路等の設備の維持・更新も計画的に実施していかなければならない中で、このままの推移で続けば、近い将来には費用が収益を逆転する流れの中にあり、施設機器のダウンサイジング並びに、料金改定を計画的かつ現実的に検討する時期にあるといえる。