地域において担っている役割
駒ヶ根市、飯島町、中川村、宮田村からなる伊南地域の中核病院として、急性期医療を基盤としながら、在宅復帰を支援する回復期リハビリテーション病棟、医療と介護の連携による地域包括ケア病棟を活用した、切れ目のない地域医療を目指し、地域住民の安心、安全のよりどころとして、質の高い医療の提供に努めています。
経営の健全性・効率性について
通常の病院活動による収益状況を示す①経常収支比率は収支が黒字である100%以上を維持しています。本業である医業活動から生じる医業費用を医業収益がどの程度賄えているかを表す②医業収支比率は95.8%で平均値を上回り推移しており、③累積欠損金は発生していません。④の病床利用率は許可病床全体では63.6%ですが、実際に稼働している病床数では80%前後となっています。⑤⑥の入院・外来1人1日当たり収益は抗がん剤治療等の増加により増収となり、治療に必要な薬品費等の⑧材料費対医業収益比率も増加しました。医業収益の中で給与費の占める割合を示す⑦職員給与費対医業収益比率は、退職給付関係費が減少し、類似病院平均値より低下しました。引き続き第二次経営計画達成に向け経営改善に努めます。
老朽化の状況について
現在の病院建築から37年以上が経過し、建築当時からの建物設備の老朽化は避けられないものとなっており、老朽化を示す①有形固定資産減価償却率は平均を20%程度上回る70.6%となっています。そのため、計画的な設備投資により、建設改良を実施しています。令和元年度は第二次経営計画の後期計画開始年度であり、新病院建設を目標としているため、引き続き経営改善に取り組んでいます。
全体総括
令和元年度は第二次経営計画後期計画における初年度にあたり、前期計画で取り組んできた医療機能や経営基盤の強化を継続しながら新病院建設に向けた基本構想の策定を行いました。経営概況は入院、外来とも患者数は減少しましたが抗がん剤治療や心臓カテーテル治療の増加により診療単価が上昇し、総収益は増加しました。下半期は新型コロナウイルス感染症の発生、拡大があり、今後の経営への影響が考えられますが、感染防止対策に万全を期すとともに、さらなる医療の質向上と経営改善に取り組んでいきます。