経営の健全性・効率性について
収益収支比率は平均値を下回っており、単年度収支が平均より赤字であることを示している。昨年度からの減少の要因は、地方債償還金が増加したことが主な要因である。経営規模に対し地方債の規模が大きいことが収益圧迫要因となっていることが考えられる。企業債残高対給水収益比率の割合は、昨年度と比較すると減少したが、令和3年度から着手する「老朽化した管路更新工事」のため、今後増加することが見込まれる。料金回収率は6割程度であり、給水に要する費用の3割強を使用料以外の収入で賄っている状況である。昨年度からの減少の要因は、給水原価が管路更新計画の策定業務により増加したことが主な要因である。有収率が6割と低く、喫緊の課題である。地道な調査や工事等で少しずつ上昇傾向となっているので、さらなる改善に努める。
老朽化の状況について
施設・管路ともに老朽化が進んでいるが、心臓部である浄水場は補助事業等で、平成28年度から令和元年度にかけて、機械・電気設備更新を行った。本管は総延長が140kmほどあり、その多くが昭和の終わりから平成の始めにかけて整備されたものであり老朽化が懸念される。一挙に更新することは困難であるため、更新計画により令和3年度から工事を進めていく予定である。
全体総括
給水に要する費用が高く、使用料以外の収入に依存している状況である。また、漏水が原因で水を捨てている状況であるため、漏水調査及び修繕に取組んでいる。今後、管路更新をを行っていく必要があるとともに、浄水場の設備更新に充てた起債の償還もピークを迎え、経費の増加が見込まれる。使用料収入は、人口の減少に伴い減少していく見込みである。適正な料金設定及び経費の抑制を行う必要があり、平成30年には、10%程度値上げする料金改定を実施した。また、令和元年10月から消費増税に伴い、令和2年度から増税相当分の料金改定を実施した。適正な料金改定は、継続的に検証していく必要がある。