地域において担っている役割
峡南医療センター企業団は、公立病院として地域医療を守るため、急性期から回復期、在宅医療に至るまで地域全体で切れ目のない必要な医療を提供し、地域完結型医療を目指している。富士川病院においては、救急医療やがん診療等、高度かつ専門的な医療を提供している。また、感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症などへの対応を行っている他、災害拠点病院としての役割も果たしている。
経営の健全性・効率性について
令和2年度は新型コロナウイルス感染症に係る補助金収入があったため、経常収支比率においては、100%を超えることができた。しかしながら、医業収支比率は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、入院外来ともに患者数が落ち込み、100%を超えることができなかった。また、材料費対医業収益比率は、高額薬品による治療のため平均値を上回っている。病院としては、新たな施設基準の取得等に取組むことによって収益単価を高め、企業団の累積欠損金の解消を図っていく。
老朽化の状況について
企業団発足から7年が経過したが、社会保険病院時代に購入した器械備品が多く器械備品減価償却率は平均値を下回ってきた。令和2年度は電子カルテシステム等、器械備品の購入が多く、減価償却率が前年度より低下した。しかしながら、老朽化した器械備品も依然として多くあり、継続的な高額医療機器の更新が今後の重要課題である。
全体総括
経営改善を着実に実行し、経常収支比率や累積欠損金比率の更なる改善に取り組んでいく。また、老朽化した医療機器の更新が控えているため、必要な設備投資に優先順位を付け、計画的に整備を行い、健全な経営を維持していく。