経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」は100%を超えていますが、「⑤経費回収率」は75.32%と本来使用料で回収すべき経費で全て賄えていない状況です。使用料水準の適正化、経費削減を図り、経費回収率の改善を図る必要があります。「③流動比率」は前年度に比べ増加していますが、未だ類似団体平均値を下回っている状況です。これは、保有現金に対して企業債等の支払額が高いためです。「④企業債残高対事業規模比率」は債務償還が進み年々減少しています。しかし、未だ類似団体平均値を上回っており、1990年代における集中投資の企業債が現在の財政負担として影響しています。「⑥汚水処理原価」は微増しており、「⑦施設利用率」は該当施設がないため計上がありません。「⑧水洗化率」は微増ですが、類似団体平均値より高い数値です。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は、年々増加しています。「②管渠老朽化率」は法定耐用年数(50年)を経過したものがないことから0%です。「③管渠改善率」は前年に比べ修繕が少なかったことから減少しています。しかし、類似団体平均値より高い数値です。
全体総括
過去の建設投資により、現在の元利償還に対する負担が大きい状況です。償還が進むことで企業債残高が減少することから、財政状況は健全に推移することが予測されます。しかしながら、近い将来、人口減少、節水意識等による使用料収入の減少、施設の老朽化に伴う改築更新費用の増加が見込まれます。今後、継続して安定した下水道事業を提供していくために、経費回収率の向上、計画的な老朽化対策を図り、事業の健全化・効率化を図ります。