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3カ年平均の財政力指数については、景気低迷に伴い平成21年度から4年連続して低下しているが、1.00と類似団体平均を上回っている。また、単年度での財政力指数をみると、平成21年度は基準財政収入額の減少により、1.19となり、平成22年度は基準財政需要額の増加及び基準財政収入額の減少により、1.02と大きく悪化した。さらに、平成23年度は、基準財政需要額の増加により、0.99となり、10年ぶりに交付団体となった。平成24年度は、基準財政収入額は増加しているが、それ以上に基準財政需要額が伸びたことにより、財政力指数は低下している。基準財政収入額については、昨今の景気低迷による税収の減少が影響を与えていることから、早期の景気回復が期待される。また、税源涵養施策の推進及び徴収業務の強化など歳入確保に努める。
平成20年度以降は、長引く景気低迷の影響により、経常一般財源が減少を続ける一方、少子高齢化社会の急速な進行に伴い、経常経費充当一般財源が増加傾向にある。これらのことから、平成20年度以降、経常収支比率は上昇を続けている。平成24年度は、前年度に比べ0.9ポイント改善し、93.9%となったが、臨時財政対策債を減じた比率は95.5%であり、0.7ポイントの悪化といえる。なお、当市は平成18年度から平成23年度まで、臨時財政対策債を借り入れていないことから、他団体と比較する際には留意が必要である。今後も引き続き、行政改革を推進することにより、経常経費の抑制に努めるが、社会保障関係経費の自然増等や制度改正が見込まれるため、その動向を注視する必要がある。また、大幅な税収増が見込まれないが、収納環境整備や徴収業務の強化を進めるなど着実な歳入確保に努める。
全国平均と比較して、人件費・物件費等決算額が下回っているのは、人事院勧告に基づく給与構造改革や定員管理による職員数の適正化などにより人件費の抑制に努め、施設管理への指定管理者制度導入などにより各経費の削減に努めたためである。人件費は義務的経費であることから、その動向により、財政の硬直化を招く恐れがあるため、今後とも、職員の新陳代謝、定員の適正化及び行財政運営の効率化などにより、人件費の削減に努めていく。平成21年度から2年間減少傾向にあったが、平成23年度については、学校給食費の公会計化などにより物件費が増加し、前年度比5,254円上昇している。平成24年度についても人件費は減少しており、防災資機材や備蓄物品の充実などにより物件費が増加したため、前年度比955円の上昇となった。
平成18年度の給与構造改革の見直し以降、ラスパイレス指数は100.0を維持していたが、平成20年度には採用・退職による減ポイント以上に経験年数区分間の異動によるポイント増が上回ったため、1.0ポイントの増となり、平成21年度は0.5ポイント減となったが、平成22年度は0.1ポイントの微増となっている。なお、平成23年度及び平成24年度については、東日本大震災への対処等を目的とした国家公務員の給与の臨時特例による期限付(平成26年3月31日)の大幅な削減により、ラスパイレス指数が一時的に大きく跳ね上がる形となっているが、それ以外の要素ではこれまでの傾向を踏襲している。今後も自主的かつ主体的な取り組みとして、諸手当等の総合的な見直しなど、より一層の給与適正化を図る。
類似団体の平均を0.16人下回り、全国市町村平均、神奈川県市町村平均も下回っている。これは、これまでの取り組みに引続き、平成23年度から計画期間開始となった「第三次定員適正化計画」に基づき、事務執行体制のスリム化や外部委託の推進、広域行政の推進等を適正に行っていることによるものである。今後についても、絶えず自主的かつ主体的に定員管理を行い、職員数の抑制に努めていく一方で、再任用及び任期付職員の活用や人材育成の推進等にも配慮し、職員数削減による市民サービスの低下を招かないよう、適正な組織体制・人事配置を意識した効率的・効果的な定員管理を進めていくことが求められる。
最近5年間の傾向は、高金利で借り入れた政府資金等の償還完了や近年の借り入れ抑制などにより、減少傾向で推移している。また、平成24年度の単年度数値は0.08ポイント増加しており、0.67%となった。これは、公営企業会計への繰出金の増加などによる準元利償還金の増加などによるものである。今後は、一般財源の減少が見込まれる中でも、市民サービスの水準を維持するためは、従来よりも市債の活用が見込まれるが、中長期的な公債費の推計などにより、財政硬直化を招くことのないよう留意した行財政運用が求められている。
平成19年度から引き続き、基金や都市計画税を含めた充当可能財源等が将来負担額を上回ったことにより、比率は算定されていない。将来負担額のうち、地方債残高が低いのは、従前より起債の抑制を継続してきたことや民間資金の繰上償還を実施してきたことがあげられる。また、公営企業等繰入見込額が低いのは、下水道事業特別会計の経営状況が安定していることによる。しかしながら、充当可能財源等については年々減少傾向となっており、充当可能基金については、市債借入とのバランスに留意しつつ繰入を行っており、平成21年度以降減少していることから、注視が必要である。
人件費の比率については、平成24年度において、29.3%と前年度比で1.3ポイント減少している。また、全国平均を4.5ポイント、神奈川県平均を3.6ポイント、類似団体平均を4.2ポイント上回っており、高い水準にある。最近5年間の人件費については、大きな変動はなく、平成20年度から平成23年度は微増傾向であったが、平成24年度は微減となっている。人件費は義務的経費であることから、その増加により、財政の硬直化を招く恐れがあるので、定員の適正化や行財政運営の効率化などにより、適正な水準を保つ必要がある。
物件費の比率については、平成24年度において、21.0%と前年度比で0.3ポイント上昇しており、全国平均を7.7ポイント、神奈川県平均を6.3ポイント、類似団体平均を6.3ポイント上回っている。物件費の比率が高い要因として、近年では予防接種事業などの衛生費に係る物件費の増加が顕著である。また、平成23年度から、学校給食費の公会計化により、物件費が増加したことも挙げられる。平成24年度は防災資機材や備蓄物品の充実などにより増加している。今後、行政運営に係る物件費については、行政改革を推進や予算編成時においてシーリングを設けることなどにより縮減に努める必要がある。
扶助費の比率については、平成24年度において、12.8%と前年度比で0.6ポイント上昇しており、全国平均を1.6ポイント、類似団体平均を0.3ポイント上回っているが、神奈川県平均を2.7ポイント下回っている。少子高齢化の急激な進展及び長引く景気の低迷の影響により、本市においても扶助費の増加が顕著となってきており、今後について推移を注視する必要がある。また、小児医療費助成の対象年齢等の拡大を行ってきたことから増額傾向となっている。扶助費については、住民サービスの向上と財政の硬直性という相反する課題を有していることから、慎重な対応が必要である。
その他の比率については、平成24年度において、10.2%と前年度比で0.9ポイント上昇しており、全国平均を2.3ポイント、神奈川県平均を0.5ポイント、類似団体平均を2.7ポイント下回っている。その他の比率が低い主な要因としては、特別会計への繰出金が少ないことが挙げられる。公営企業である下水道事業特別会計について、近年は、資本費平準化債の活用などにより、資本費の抑制(平準化)に努めた結果、基準外繰出金を解消することができた。しかし、国民健康保険事業特別会計に対する法定外繰出金は依然として高額であるため、国民健康保険税の収納対策強化などにより収入を増額することで繰出金の減額を図っていく。
補助費等の比率については、平成24年度において、9.9%と前年度比で0.7ポイント減少しており、全国平均を0.2ポイント、類似団体平均を0.1ポイント、県内平均を1.0ポイント下回っている。補助費の経常経費一般充当財源については、平成22年度以降、微減の状況となっている。引き続き行政改革を推進することにより、補助金の必要性、有効性、適格性、使途の適切さなどについて検討し、見直しを行い補助費の適正化を進めていく。
公債費の比率については、平成24年度において、10.7%と前年度比で0.7ポイント減少しており、全国平均を8.1ポイント、神奈川県平均を7.3ポイント、類似団体平均を5.3ポイント下回っている。その大きな要因としては、市税が減少している中、市債と基金繰入のそれぞれのバランスに留意した上で市債発行を行うことで、安易に市債発行を行うことで将来世代へ負担を先延ばしにするのではなく、世代間負担の公平性に立脚した市債活用に努めてきたことなどによる。
公債費以外の比率については、平成24年度において、83.2%と前年度比で0.2ポイント減少しており、全国平均を11.3ポイント、神奈川県平均を5.7ポイント、類似団体平均を8.0ポイント上回っている。近年公債費以外の比率が上昇していた要因としては、扶助費の増加などによる経常経費の増加及び景気低迷による経常一般財源の減少が挙げられる。また、本市は、平成18年度から平成23年度まで、臨時財政対策債の発行をしておらず、景気低迷による経常一般財源の減少が大きく比率に反映されている。平成24年度は微減となったが、今後も、行政改革による経常経費の削減、税源涵養施策の推進や徴収業務の強化により、財源の確保に努めていく。