経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:経年劣化に設備等の修繕が増加傾向にあるため、維持管理費が増加している。(供用開始後、20年経過している)このためストックマネジメントを策定し、適切で効率的な維持管理を行うとともに、更新投資の費用削減に取り組み、健全経営に努める必要がある。④企業債残高対事業規模比率:類似団体等の数値比較において、ここ3年低い水準である。投資規模、使用水準は適正であると考えるが、近子更新時期等が予測されるため、計画的かつ適正で効率的な運営を行い、健全経営に努めることが必要である。⑤経費回収率:当該数値については、ここ数年間管渠・処理場施設整備等の比較的大き目な修繕を実施。そのため、類似団体等の数値と比較しても1/4程度減の数値となる。使用料水準は適正であると考えるが、維持管理に要する費用も増加していることもあり、今後はストックマネジメントを策定し、計画的かつ適正で効率的な運営を行い、健全経営に努めることが必要である。⑥汚水処理原価:当該数値については、ここ数年間管渠・処理場施設整備等の比較的大き目な修繕を実施。そのため類似団体等の数値と比較しても約1.5倍程度、増数値となる。今後、維持管理に要する費用が増加すると予測されるため、ストックマネジメントを策定し、計画的かつ適正で効率的な運営を行い、健全経営に努めることが必要である。⑦施設利用率:当該数値については、類似団体等の数値とほぼ同じである。今後は人口減少等の影響であると考えるが、今現在の施設が適切な規模であるのか等を再度検証し、随時各種計画の見直しを行いながら、適切な施設規模を維持するよう努める必要がある。⑧水洗化率:水洗化率(接続率)は高い水準であるが100%にするため、接続への啓蒙活動等を更に強化・実施していく必要がある。
老朽化の状況について
平成30年度に点検調査(管渠内・人孔・取付管、施設内機械・電気設備)を実施した結果、早急に改修を要するものではなかったが、突発的に故障するといったケースが考えられる。管渠布設、処理場建設から20年以上経つことから、計画的かつ適正な維持管理を行うため、ストックマネジメントを策定する必要が不可欠である。
全体総括
今現在、健全で効率的な経営であると考えるが、今後、施設の老朽化が進み維持補修が増加すると予測されるため、ストックマネジメント等を策定する。これにより、計画的かつ適正な維持管理を行うとともに、公共下水道との広域化・共同化についても検討を行い、将来的に負担とならないよう、より一層健全で効率的な経営を目指す必要があると考える。その「広域化・共同化」については、平成30年10月に「下水道事業の広域化・共同化検討会」が設置され、下水道事業を行う市町村等とともに下水道事業に係る広域化・共同化計画を策定である。「広域化・共同化」とは、複数の処理区の統合や下水汚泥の共同処理、複数事業の管理の全部または一部を一体化に行う等の広域的な連携により事業運営基盤の強化を図ることをいう。