経営の健全性・効率性について
平成30年4月より地方公営企業法の適用を受けたため、各指標は前年度から皆増となっている。経営の健全性・効率性を表す①経常収支比率は100%以上となっており、②累積欠損金比率も0%であることから、単年度の事業収支は黒字となっており経営の健全性に問題はない。1980年代の集中的な建設投資による企業債償還の影響から③流動比率は100%を下回る数値となっているものの、④企業債残高対事業規模比率は全国平均や類似団体平均と比較しても大きく下回っており、事業規模に対して無理のない借入れによる事業運営を行っていることがわかる。⑥汚水処理原価は全国平均や類似団体平均よりも下回っており適切な数値と言えるが、⑧水洗化率についてはほぼ100%となっているものの、一方で⑤経費回収率が100%に届いていないことから、今後も未接続世帯の解消を図り使用料収入の確保に努めるとともに、汚水処理コストの削減及び使用料水準の適正化を図る取り組みが必要である。
老朽化の状況について
本市の公共下水道は昭和51年度から整備に着手し、平成30年度末現在、全体管渠のうち約62%が30年を経過した状況となっている。今後は、老朽化が進む膨大な下水道施設(ストック)を適切に維持管理し、道路陥没や機能不全等の事故を未然に防ぐとともに、持続的に安定した下水道サービスを提供するため、平成28年度に策定した「清瀬市下水道ストックマネジメント計画」に基づき、計画的に点検・調査及び改築・修繕を実施し、これら下水道施設の長寿命化を図っていく。なお、平成29年度からは、緊急輸送路下や避難所・福祉施設からのルート等の重要な幹線の下水道施設について、点検・調査を開始し、また、老朽化したマンホール蓋の交換工事を順次行っている。
全体総括
少子高齢化や節水型社会への変化などの要因により下水道使用料収入の減収が予想される一方で、老朽化した下水道施設の更新時期を迎え、下水道財政は年々厳しい状況となることが見込まれている。こうした状況の中、平成30年度から財務適用した公営企業会計による経営状況や資産の把握、さらに令和2年度に策定する「下水道事業経営戦略」に基づき、持続的で安定した下水道サービスを提供と健全で効率的な事業運営の実施を目指していく。