経営の健全性・効率性について
各指標における平成29年度の数値を見ると・・・⑤経費回収率一般家庭等から排出された汚水の処理に掛かった費用が、どの程度下水道使用料で賄えているかを表した指標です。地方公営企業法適用に伴う打切り決算を行ったため100%を超えていますが、従前の決算方法により算出すると97.78%となり、依然として赤字経営の状況となっています。①収益的収支比率この指標が100%未満の場合、単年度収支が赤字であることを示しており、財源不足を一般会計からの補てんしています。⑥汚水処理原価汚水処理原価は、平成28年度に引き続き、類似団体や全国平均との比較でも良い値を示しています。⑧水洗化率この指標がほぼ100%ということは、市内のほぼ全世帯の家庭から排出された汚水が公共下水道により処理されていることを表します。数値の改善が見られるものの、未だ⑤経費回収率が100%に達していないことから、本来下水道使用料で回収すべき経費を、全て使用料で賄えていない状況が確認できます。
老朽化の状況について
本市の公共下水道は昭和51年度から整備事業に着手し、普及率はほぼ100%に近い数値となっています。一方で、管渠全体のうち30年を経過しているものが55%(平成29年度末現在)となっています。こうした中、平成25年度には、市内で老朽化が最も進んでいると想定される処理分区及び路線についてTVカメラ調査等を行い、その結果に基づき平成27年度には、下水道管路について約0.33キロメートルの更生工事を、また、マンホール蓋については、55箇所の更新工事を行いました。また、今後下水道施設を計画的に維持管理し、更新に係る事業費を平準化するため、平成28年度に「清瀬市下水道ストックマネジメント計画」を策定し、平成29年度から計画に基づく点検を実施しています。
全体総括
少子高齢化や節水型社会への変化などの要因により、下水道使用料収入の減収が予想され、下水道財政は年々厳しい状況となることが見込まれます。こうした状況の中、持続的に安定した下水道サービスを提供し健全で効率的な事業運営を行なうため、水洗化率を100%に近づけ下水道使用料収入の更なる確保に努めるとともに、ストックマネジメント計画に基づき老朽化した施設の更新を実施します。また、安定的な事業運営を図るため、中長期的な基本計画である「下水道事業経営戦略」の策定も進めていきます。