経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、単年度の収支が黒字であることを示す100%を上回っており、累積欠損金比率も0であることから、経営状況は健全な状況にあると言えます。市全体の財政状況等に鑑み、企業内の現金預金の残高が過大とならないようにしているため、③流動比率は、類似団体平均を下回っているものの、④企業債残高対事業規模比率は類似団体や全国平均を下回っており、長期的な債務支払能力は良好となっています。⑥汚水処理原価は全国平均や類似団体平均よりも下回っており、適切な数値と言えます。⑤経費回収率は平成26年度の使用料改定以降は90%台で推移しており、令和2年度は97.09%となりました。今後も使用料収入の確保とともに、汚水処理コストの削減を図っていきます。⑦施設利用率は、平均値と同水準で、効率的かつ安定的に利用されており、今後も同水準が見込まれます。⑧水洗化率は、全国に先駆けて取り組んでおり、100%となっています。
老朽化の状況について
②管渠老朽化率は、類似団体平均と比べて高くなっていますが、これは本市の下水道事業が全国に先駆けて公共下水道100%整備を達成するなど、早期に着手したことにより、老朽化した管渠が多いためです。今後も順次更新期を迎えるため、三鷹市下水道再生計画に基づき、優先順位の高い下水道施設から、点検調査及び長寿命化改修を図っています。また、処理場(東部水再生センター)については、上位計画である「多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画」に流域編入が位置付けられていることから、流域編入を想定しながらも、その間の適正な処理水質を維持するため、施設や設備の長寿命化に取り組んでいます。
全体総括
・本市では、下水道事業の総合的・計画的な事業展開と財政運営の見通しを明らかにした「三鷹市下水道経営計画2022(改定)」(令和2年3月改定)を経営戦略に位置付け、本計画に基づいて、健全な下水道経営のもと、安定した下水道サービスを引き続き提供することに取り組んでいます。・下水道施設の老朽化による更新が順次必要となってきていることから、今後も引き続き大きな財政負担が想定されます。そのため、効率的かつ効果的な事業運営に努めるとともに、優先度をつけた計画的な事業展開を図ります。・令和2年4月1日より経営の健全性や計画性・透明性の向上を目指し、地方公営企業法の適用を一部適用しました。