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2013年度
2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
別紙【財政力指数の分析欄】のとおり
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
分子である公債費が令和元年度に区債を繰上償還したことにより1,668百万円の減となった一方、人件費や物件費が2,934百万円の増となったため、全体として1,705百万円の増(+1.3%)となった。分母は地方消費税交付金や特別区民税が4,350千円の増となったが、財調交付金が7,171百万円の減となり、全体として3,569百万円の減(-2.1%)となった。分子の増・分母の減により、令和元年度と比較して比率は2.6ポイント上昇したが、適正範囲の水準にとどまっている。また、類似団体と比較してもここ数年低い水準となっている。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費は児童相談所開設により職員数の増や会計年度任用職員(パートタイム)の雇用などで増、物件費もGIGAスクール構想に伴う学校への端末配備などで増となっている。その結果、一人あたりの決算額が令和元年度と比べ9,285円増加したが、類似団体と比較すると3位となっており、低い水準は維持している。これは、これまで培ってきた健全財政への取組や施策の見直しなどによる不断の行財政改革の成果による影響が大きいと分析している。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
23区の中で2番目に低い水準にある。これまで組織の効率化を進め、組織の合理的な運営に努めてきた成果である。令和2年度ラスパイレス指数は0.2ポイントの減となった。その主な要因は高齢層職員の昇給抑制措置および行政系人事制度改正により、現給保障が適用されていた職員の退職による影響である。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
依然として23区の中でも低い水準にある。健全財政を推進するため、現業職員の退職不補充や指定管理への移行をはじめ、庁舎管理等の内部事務や学校給食調理業務の民間委託を進め、職員数抑制に努めてきた成果である。健全財政の取組み前(平成12年度)の職員数5,057人に比べ、令和3年4月1日は3,806人となり1,251人の減(-25%)となった。人口1,000人当たり職員数については、令和元年度と比較して人口が3,956人減少したが職員数が16人増加したたため、0.05人増加した。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率は、4年連続して上昇していたが、令和2年度は0.1ポイント改善された。主な要因は、令和元年度に区債を繰上償還したことにより、分子である元利償還金が減少したことと、財調普通交付金の減などにより、分母である標準財政規模が減少したことからである。分子の減(-1,668百万円)よりも分母の減(-3,172百万円)の方が大きかったことにより0.1ポイント改善された。また、類似団体でトップの数値となっているとともに、全国的にもトップレベル(2番目)となっている。区債の発行については将来世代への負担となるため、必要性を十分検討したうえで判断していく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担額は区債残高と退職手当負担見込額等を合わせて28,911百万円であったのに対し、充当可能財源等は充当可能基金額などを合わせて299,684百万円となった。充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、計算結果がマイナス値となり、将来負担比率は算定されなかった。これは積立基金を一定額保有していることと、令和元年度に繰上償還したことにより、少ない区債残高となっているからである。今後も区債と基金の管理を適切に行い、将来世代に負担を先送りしない効率的な財政運営を行っていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
別紙【経常収支比率の分析欄】のとおり
物件費
物件費の分析欄
令和2年度は1.3ポイントの増、これで4年連続の増となり、増加率も大きくなった。主な要因は、分子がGIGAスクール構想に伴う学校の端末配備関連経費などの増(+4.4%)、分母である経常経費充当経常一般財源の減(-2.1%)で、分子の増・分母の減によるものである。今後も事業の外部委託化などによる増要因はあるが、適正な委託のあり方を常に検討する努力を続けていく。
扶助費
扶助費の分析欄
令和2年度は0.2ポイントの改善となった。主な要因は分母が経常経費充当経常一般財源の総額(特に財政調整交付金)が減少したことと、分子である扶助費充当経常一般財源が新型コロナウイルス感染予防行動の影響により子ども医療費などが減少したことである。その結果、分母の減少率より分子の減少率が大きかったため、改善する結果となった。ただし、類似団体内や国・都の平均を大きく上回っていることには変わりはない。
その他
その他の分析欄
別紙【経常収支比率の分析欄】のとおり
補助費等
補助費等の分析欄
令和2年度は4.2%で2年連続の減となった。主な要因は分母である経常経費充当経常一般財源(特に財政調整交付金)の減少率(-2.1%)よりも、分子である無償化による私立幼稚園等園児保護者負担軽減補助などの減による減少率(-2.7%)の方が大きかったためである。本区は保育ママ助成、中小企業への利子補給・信用保証料補助等の独自事業を多く展開しているため、今後も大きな数値の変化は見られないと分析している。それでも類似団体や国・都より低い水準となっている。
公債費
公債費の分析欄
指標は類似団体と比較して最も低くなっており、令和2年度は1.0ポイントと例年に比べ大きく改善された。これは令和元年度に区債を繰上償還したことにより、分子である公債費充当経常一般財源が大きく減少(-91.2%)したことによるものである。区債の発行については将来世代への負担となるため、必要性を十分検討したうえで判断していく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
別紙【経常収支比率の分析欄】のとおり
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
本区の歳出の最も大きい割合(42.6%)を占める民生費は209,906円で平成元年度比8,939円の増となり、2年連続増加となった。主な要因は児童相談所の開設、私立保育園等委託費などの増である。総務費は135,480円で令和元年度比95,008円の大幅な増(+234.7%)となっているが、主な要因は特別定額給付金や松島地区区民施設の新設、大型区民施設及び庁舎等整備基金への積立などの増である。衛生費は27,556円で令和元年度比3,596円の増(+15.0%)となっているが、主な要因は新型コロナウイルス感染対策・ワクチン接種関係や清掃工場建替期間中の収集・運搬体制の変更に伴う増などによるものである。土木費は42,082円で12,590円の増(+42.7%)となっているが、主な要因は再開発事業・密集住宅市街地整備促進事業・上篠崎一丁目北部土地区画整理事業の進捗状況による増である。消防費は5,483円で1,225円の増(+28.8%)となっているが、主な要因は災害対策基金への積立によるものである。公債費は233円で令和元年度比19,071円の大幅な減(-98.8%)となっているが、主な要因は令和元年度に区債の繰上償還したことによるものである。その結果類似団体比較では一番低い水準となっている。また、災害復旧費、諸支出金、前年度繰上充用金の実績はない。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
別紙【性質別歳出分析欄】のとおり
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄別紙【実質収支比率等に係る経年分析欄】のとおり
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄一般会計、各特別会計を含めた全会計での実質収支は、現方式での分析を始めた平成19年度から連続で黒字となっている。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄令和2年度の元利償還金は令和元年度比で1,668百万円の大幅な減となった。これは令和元年度に区債を繰上償還したため、償還経費が減少したことによるものである。組合等への元利償還金に対する負担金等は22百万円の増で3年連続して増となった。算入公債費等(総務大臣が定める額)は587百万円の減で5年連続して減少した。その結果、実質公債費比率の分子は元利償還金が大きく減少したことにより、1,059百万円減少した。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債については、平成28年度に償還が終了して以降は新規の借入がない。残高についても令和元年度末までは利子積立て以外に大きな変動はない。
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄地方債の現在高については令和元年度に繰上償還したことにより327百万円の残高となっており、類似団体内でも特に低い水準となっている。組合等負担等見込額は374百万円の増で2年連続して増となった。退職手当負担見込額は146百万円の減で3年連続して減少した。充当可能基金については2,686百万円の増となり、5年連続して増加している。基金については設置目的に合わせて適切に積立を行っている。平成19年度以降毎年、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率はマイナスとなり、将来負担比率は発生していない。今後、同等程度の規模で推移していくと考えられるが、老朽化する公共施設の更新が本格化するのに伴い、基金の取り崩しが行われ将来負担比率に影響を及ぼすことが見込まれる本区は依存財源の割合が高いため、今後も健全財政を堅持しつつ、計画的な資金の活用をに立った財政運営を継続していく。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要への対応で大型区民施設及び庁舎等整備基金に18億円積立て、教育施設整備基金は、学校改築の計画に沿って65億円積立て、令和2年度整備分を72億円取り崩した。JR小岩駅周辺地区等街づくり基金は、事業の進捗状況により42億円取り崩し、今後の需要を見込んで21億円積立てた。また、新型コロナウイルス感染症対策関連で災害対策基金を30億円取り崩し、今後の災害に備えるために年度末に30億円積み戻した。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設や本庁舎、小中学校など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在する。老朽化する大型区民施設の整備・再編、新庁舎の整備、学校改築や大規模災害等に備えて計画的に積み立てていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)期限付き事業の財源として5億円取り崩し、基金利子分を積立てたため。(今後の方針)再度リーマンショック級の経済危機に耐えられるよう現行の残高規模を維持していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)区債償還の財源として2億円取り崩し、基金利子分を積立てたため。(今後の方針)起債事業の元利償還金相当額の規模を維持していく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)大型区民施設及び庁舎等整備基金:大型区民施設及び庁舎等整備資金教育施設整備基金:学校の整備資金JR小岩駅周辺地区等街づくり基金:JR小岩駅周辺地区等の総合的な街づくりの資金災害対策基金:災害の予防及び応急対策並びに復旧等に要する資金(増減理由)公共施設の老朽化に伴う今後の改築需要への対応で大型区民施設及び庁舎等整備基金に18億円積立て、教育施設整備基金は、学校改築の計画に沿って65億円積立て、令和2年度整備分を72億円取り崩した。JR小岩駅周辺地区等街づくり基金は、事業の進捗状況により42億円取り崩し、今後の需要を見込んで21億円積立てた。また、新型コロナウイルス感染症対策関連で災害対策基金を30億円取り崩し、今後の災害に備えるために年度末に30億円積み戻した。(今後の方針)大型のスポーツ・文化施設や本庁舎、小中学校など、建設から40年あるいは50年を経過する施設が多数存在する。老朽化する大型区民施設の整備・再編、新庁舎の整備、学校改築や大規模災害等に備えて計画的に積み立てていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本区の有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、公共施設の老朽化への対応が喫緊の課題となっている。こうした状況を踏まえ、平成29年3月に公共施設等総合管理計画を策定した。今後は、将来人口の、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
本区では、平成13年度以降継続して行財政改革を取り組んできたことにより、債務償還可能年数の算定式において、分子である充当可能財源等が将来負担額を上回っているとともに、分母である経常経費充当財源等も経常一般財源等を上回っている。そのため、債務償還可能年数が「-」となっており、類似団体でもトップの水準を維持している。今後も過度な将来負担をしないためにも、健全財政の維持と計画的な資金の活用に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
本区では、平成13年度以降継続して行財政改革を取り組んできたことにより、将来負担比率は算定式において、充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率の指数がマイナス(グラフ上は0)となり、将来負担は生じていない。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い傾向にある。しかし、本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、多くの施設は建設後30年以上が経過している。今後、更新または大規模改修が必要となる施設が多数存在し、将来負担費用の増加が見込まれる。今後、将来世代へ過度に負担を先送りしないために、適切な基金の積み立てと活用により、財政負担の平準化に努める。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は算定式において、充当可能財源等が将来負担額を上回るため、将来負担比率の指数はマイナス(グラフ上は0)となり、将来負担は生じていない。実質公債費比率についても算定式において、算入公債費等が公債の元金償還金を上回りマイナスとなっており、適正な水準となっている。今後、学校改築や老朽化する公共施設の更新に伴い、基金の取り崩しが生じることが見込まれる。加えて、税制改正による法人住民税の一部国税化等は、依存財源の割合が高い本区への影響が大きいことから、長期的視点に立った財政運営を行っていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
本区の公共建築物の多くは、昭和30年代から昭和50年代に集中して建設され、大部分の施設は建設後30年以上が経過し、老朽化が進んでいる。類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、児童館、体育館・プール、保健センター・保健所、庁舎である。有形固定資産減価償却率の類似団体順位に着目すると最下位のものが散見され、他団体と比較しても施設の老朽化の進行具合が伺える。今後は、将来人口の推移、年齢構成の変化、施設需要の変化等を注視しながら、施設の維持管理、更新、長寿命化や統合・廃止を検討していく。福祉施設の有形固定資産減価償却率が昨年度と比較して低くなっているが、これは昭和62年に建築した施設を閉館したことに起因する。また、学校施設については、他の類似団体と比較して低い有形固定資産減価償却率となっているが、2026年までに本区の有する小中学校の約3分の2が建築から50年が経過する状況にあり、改築時期を一斉に迎えている。本区は既に学校改築事業に着手しており、令和4年4月時点で11校の改築が終了し、14校の改築計画を進めている状況にある。年少人口の減少が見込まれることから学校の統合を含めた適正配置を検討していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
本庁舎については、全棟が建設から30年以上が経過しており、特に本庁舎南棟にあっては建設から55年以上が経過し老朽化が深刻である。また、機能面からみても課題があり、行政需要の拡大に伴い、執務スペースが不足し、近隣民間建築物の借受をして執務スペースを確保している状況である。庁舎の一人あたり面積が全国平均、東京都平均を大きく下回り、類似団体の中で最下位の水準である。こうした状況を踏まえ、令和元年度より新庁舎建設基本構想・基本計画策定委員会を発足し、令和3年3月に新庁舎建設基本構想・基本計画を策定した。今後は、令和10年度の供用開始を目指し更なる検討を進めていく。類似団体と比較して一人当たり面積が大きい施設は、市民会館であり、施設数が類似団体より多いからと考えられる。また、類似団体と比較して一人当たり面積が少ないのは、公営住宅、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館、福祉施設等であり、公営住宅については、平成14年度より東京都から施設が移管されて以降建設されていないこと、認定こども園・幼稚園・保育所及び福祉施設については、対象施設が少ないこと、児童館は区の施策として児童館機能を学校で担っている部分があり、施設数が少ないことなどが考えられる。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
・一般会計等においては、資産合計が前年度末から34,944百万円増加となった。資産合計のうち約98%が固定資産であり、固定資産のうち約85%をインフラ資産が占めている。負債合計は、前年度末から138百万円増加となった。資産規模に対して負債は非常に小さく、これまで健全財政を維持し、将来世代に負担を先送りしない財政運営に取り組んできた結果が表れている。資産規模の大きさから、今後固定資産の維持経費の増大などが発生する可能性があるため、公共施設総合管理計画に基づく適切かつ計画的な施設管理を行っていく必要がある。国民健康保険事業等の特別会計を加えた全体では、資産合計は前年度末から35,139百万円増加となった。また、負債合計は前年度末から155百万円増加となった。特別会計の長期延滞債権と未収金は資産合計の約34%を占めており、保険料の収納率向上や滞納整理の取り組みを推進していくことが必要である。東京二十三区清掃一部事務組合等を加えた連結では、資産合計は前年度末から35,738百万円増加となった。また、負債合計は前年度末から1,153百万円増加となった。
2.行政コストの状況
・一般会計等においては、経常費用は312,262百万円となり、前年度比83,634百万円増加(+36.6%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は103,942百万円(前年度比+7,892百万円)、補助金や社会保障給付等の移転費用は208,320百万円(前年度比+75,742百万円)となっており、移転費用の増加は、政府の緊急経済対策に伴う特別定額給付金の支給が主な要因である。経常費用に占める移転費用の割合は約67%と大きくなっており、社会保障給付が移転費用の約46%を占める。今後も高齢化の進展などにより社会保障給付の増加が見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により費用の抑制に努める。また、資産規模が大きいため維持補修費や物件費等施設管理に係る経費が極端に増加しないよう、資産のコスト管理を計画的・効果的に運用していく必要がある。・全体においては、国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業の特別会計が含まれ、特別会計の費用のほとんどを移転費用が占めるため、経常費用のうち移転費用の割合が約73%と大幅に上昇する。長期的には移転費用は増加していく見込みであるので、充分注意が必要である。・連結においては、連結対象団体の事業収入(主に特別区競馬組合の事業収入)が計上されるため、全体に比べ経常収益が10,358百万円増加し、経常収益は全体と比べほぼ倍になっている。
3.純資産変動の状況
・一般会計等における本年度差額は、財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も34,805百万円増加となった。財源の主な内訳として、財政調整交付金、特別区民税などの税収と国・都等の補助金となっている。都市計画道路等のインフラ資産の整備、学校改築のため有形固定資産が増加したことが純資産の増加に寄与した。全体においても、本年度差額は財源が純行政コストを上回り、これに伴い純資産も34,985百万円増加した。国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業における保険料収入が税収等に含まれるため、税収等は一般会計等に比べて40,849百万円増加した。・連結においては、東京二十三区清掃一部事務組合等において本年度差額が赤字となったことが影響し、全体と比べて本年度差額は178百万円減少した。連結純資産残高は、連結団体の本年度純資産変動額が△399百万円であったため、全体の本年度純資産変動額より増額幅は小さいものの34,586百万円増加した。
4.資金収支の状況
・一般会計等においては、業務支出の主な内訳は、社会保障給付支出が95,403百万円、物件費等支出が59,366百万円、人件費が37,798百万円などとなっており、一方、業務収入は財政調整交付金及び区民税等の税収等収入が170,490百万円、国都等の補助金が153,570百万円などで、業務活動収支は27,232百万円の黒字となった。また、業務活動収支と投資活動収支をあわせると8,377百万円と黒字であり、財政の均衡が図られている状況である。財務活動収支は、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回っていて、負債増加はないことから、資金収支上の問題はないといえる。・全体においては、本年度資金収支差額は8,938百万円の黒字となった。これは、一般会計において令和元年度に行った特別区債の繰上償還の影響等により、財務活動収支が前年度に比べ12,592百万円増加したためである。一般会計等に加わる国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療特別会計において、資産形成や地方債の借り入れがなかったため、投資活動収支及び財務活動収支はない。また、介護保険事業特別会計においては、介護準備基金積立及び取崩しにより△118百万円の投資活動収支が発生している。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
・住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、類似団体平均値に比べて非常に高い水準となっている。これは、昭和59年度以前に取得した道路、河川等の敷地についても取得価格を推計して計上していることが大きな要因である。ただし、インフラ資産が資産の約85%を占めていることから、公共用施設に関しては資産全体に占める割合はそれほど大きくはない。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値に比べて低い水準となっているが、道路資産について取替法を採用していることが大きく影響している。これを加味すると約48%となる。・資産規模が大きく、保有している施設数も多いことから、個別の施設では施設更新の検討を要するものも多い。施設の再編・統廃合を含めて検討を始めており、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していく必要がある。
2.資産と負債の比率
・純資産比率は非常に高く、一方で将来世代負担比率は非常に低い状況となっている。このことから、資産規模は大きいが将来世代への負担は低くなっていると言える。今後は老朽化した施設の更新費等が大きくなるリスクが存在するので、将来の施設需要を見据えた適正な規模の資産構成を検討していくことが必要である。
3.行政コストの状況
・住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値と比べて低い水準となっている。社会保障給付をはじめとした移転費用が今後も増加する見込みなので、引き続き健全財政を堅持し、計画性、持続性のある行財政運営が必要である。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均値に比べて低い水準となっている。将来世代負担比率も低く、負債の規模は非常に低い状況となってい・基礎的財政収支は11,046百万円の黒字となっており、類似団体平均値に比べても非常に高い水準となっている。・基礎的財政収支の黒字の要因である業務収入は、財政調整交付金や特別区税の影響が大きい。それらの収入は景気に左右されやすい構造のため、景気の動向を注視していく必要がある。今後も将来世代へ負担を先送りすることのない安定した財政基盤の構築を進めていく必要がある。
5.受益者負担の状況
・受益者負担比率は、類似団体平均値に比べて低い状況となっている。住民一人当たりコストや、基礎的財政収支の数値を踏まえると、現段階において受益者負担の見直しする状況ではないと考える。今後、税収の減少や施設の維持管理コストの上昇など状況の変化があれば、受益者負担の在り方の変更を検討することが求められることになる。
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