経営の健全性・効率性について
給水人口の減少から、給水収益が減少傾向にあるが平成30年度から水道料金の改定により給水収益の増加を図っている。給水原価が類似団体の平均を大きく上回っているが費用の50%以上を減価償却費と浄水の受水費で占めている。給水のための費用は、給水人口が減少していても給水区域は変わらないため現行の施設を維持しなければならないことと、半島の先端という水源に乏しい地理的要因からも浄水の受水は維持せざるを得ないことから、今後の費用抑制は困難な状況である。料金回収率が約60%であるにもかかわらず黒字計上ができていたのは、県及び他会計からの補助金によるものである。以上のことから、経営の健全化のためには補助金への依存度の低下、水道料金の値上げによる給水収益の増加及び老朽化施設管路の更新のための財源の確保が課題となっている。
老朽化の状況について
平成28年度に管路の経年化率が38%上昇しているのは、昭和51年創設の管路が同時期に耐用年数を超えたことによる上昇で、この現象は続くことから、管路の経年化率は更に悪化していく。また、法定耐用年数を大きく超えた石綿セメント管が存在しており、管路の更新をすすめているものの老朽化した浄水施設の更新も同時期に進めていることから、管路更新率はここ数年低く抑えられている。
全体総括
人口減少による給水収益の減少を解消するため、平成30年度に水道料金の改定により給水収益が増加したが、減価償却費や受水費などの費用抑制は見込めないことから、今後も収支の悪化は避けられないと予想される。有収率向上のためにも、老朽化した管路の更新は急務であり、市の一般会計からの補助金収入が困難なため、将来の更新需要における財源確保のための効率化が引き続き今後の課題である。