経営の健全性・効率性について
料金回収率は100%に達しておらず、類似団体の平均を下回っておりますが、令和元年度と比較すると令和2年度は改善しています。これは令和2年4月に料金改定を実施したことと、コロナ禍による水需要の増加によるものです。経常収支比率は100%に達しておらず赤字となっています。類似団体の平均よりも下回っておりますが、令和元年度と比較すると令和2年度は改善しています。これは令和2年4月に料金改定を実施したことと、コロナ禍による水需要の増加によるものです。給水原価は、自己水源が無く、浄水を全量買い上げているため、類似団体の平均値を上回る傾向にあります。令和2年度は、除却費等が減少したことから、令和元年度と比較して減少しています。累積欠損金比率は、0%を保っております。企業債残高対給水収益比率は、類似団体の平均値を下回っておりますが、平成28年度から配水場建設の借入れを行っていることから、増加していますが、令和2年度は借入しなかったことから減少しています。流動比率は、前年度と比較すると増加していますが、これは工事の未払金が減少したためです。施設利用率は、令和2年度と比較すると微減、有収率は微増となっています。これは配水場の試運転が無くなったことによるものです。類似団体の平均値を大きく上回っている状況であることから、経営の効率性は概ね良好といえます。
老朽化の状況について
配水管の耐用年数が38年となっており、配水管総延長約100㎞のうち、30年経過が26.2%(令和2年度末現在)となっているため、管路経年化率・管路更新率の数値は計上されておりません。しかし、令和5年度には、法定耐用年数を超える管が現れることから、管路の経年状況を考慮しながら、有効で効率的な投資を検討していく必要があります。
全体総括
過去5年間料金回収率は100%を切っており、県や市の補助金等の収入に依存してことから、経常収支比率は平均値を下回っています。経営改善を図る必要があるため、平成30年度に料金改定について検討しました。白井市上下水道事業審議会に料金改定について諮問し、会議を重ねてきた結果、料金改定が必要であるとの答申をいただきました。令和元年第3回白井市議会定例会で水道料金改定について可決され、令和2年4月1日から料金改定を実施しています。また令和2年度に料金改定を踏まえて、今後の見通しや更なる経営健全化に向けて検討し、平成28年に策定した経営戦略の見直しを行い、令和2年度に上下水道経営戦略を策定しました。