経営の健全性・効率性について
料金回収率は100%に達しておらず、類似団体の平均を下回っており、平成30年度と比較すると令和元年度は減少しています。これは給水原価が増加したためです。経常収支比率は100%に達しておらず赤字となっています。類似団体の平均も下回っており、平成30年度と比較すると令和元年度は減少しています。これは、経常収益が減少したのに対して経常費用が増加したため、経常損失が発生したことによるものです。給水原価は、自己水源が無く、浄水を全量買い上げているため、類似団体の平均値を上回る傾向にあります。令和元年度は、白井配水場の稼働に伴い運転管理や動力費等の発生,減価償却費の増加に加え、配水管の撤去工事を行ったことから、平成30年度と比較すると、給水原価が増加しています。累積欠損金比率は、0%を保っております。企業債残高対給水収益比率は、類似団体の平均値を下回っておりますが、平成28年度から配水場建設の借入れを行っていることから、増加しています。流動比率は、前年度と比較すると増加していますが、これは工事の未払金が減少したためです。施設利用率及び有収率は、平成30年度に比較すると微増となっています。これは平成30年度に白井配水場の試運転を行ったことによるものですが、ともに類似団体の平均値を大きく上回っている状況であることから、経営の効率性は概ね良好といえます。
老朽化の状況について
配水管の耐用年数が38年となっており、配水管総延長約99㎞のうち、30年経過が24.2%(令和元年度末現在)となっているため、管路経年化率・管路更新率の数値は計上されておりません。しかし、令和5年度には、法定耐用年数を超える管が現れることから、管路の経年状況を考慮しながら、有効で効率的な投資を検討していく必要があります。
全体総括
過去5年間料金回収率は100%を切っており、県や市の補助金等の収入に依存してことから、経常収支比率は平均値を下回っています。経営改善を図る必要があるため、平成30年度に料金改定について検討しました。白井市上下水道事業審議会に料金改定について諮問し、会議を重ねてきた結果、料金改定が必要であるとの答申をいただきました。令和元年第3回白井市議会定例会で水道料金改定について可決され、令和2年4月1日から料金改定を実施しています。現在、料金改定を踏まえて、平成28年に策定した経営戦略の見直しを行っており、今後の見通しや更なる経営健全化に向けて検討しています。