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国の地方財政対策による全国的な指数の動向とほぼ一致しており、平成14年度以降上昇を続け、平成22年度に下降した。各年度において特段の増減事由はないものの、いずれの年度でも類似団体平均を下回っているため、財政基盤の脆弱さがうかがえる。これは人口(特に生産年齢人口)の減少、高い高齢化率(29.2%)等によるものと考えられる。生産年齢人口の減少は、町内に基幹的な産業がないことと関連があるとみられ、これは法人町民税収の低迷にもつながっている。今後、既存・新規の両面から産業の振興を図り、雇用の確保と人口減少緩和、法人町民税収の増加を図り、財政基盤の強化に努める。
ほぼ類似団体平均で推移してきたが、平成22年度は町税の滞納繰越分について多額の税収が得られたことにより、特異的に好転した。ただし、この特殊要因を除いても類似団体平均より約5%程度低い水準にあるため、平成21年度以降財政構造は良好な状態にあると考えられる。しかしながら、今後公債費が高い水準で推移すること、障害者自立支援給付事業負担金の増をはじめとする福祉関係経費の増加が見込まれるため、税収の大幅な伸びが期待できない現下の状況では、悪化していくものと考えられる。今後、義務的経費以外の経常経費の増加を抑え、平成21年度程度の水準を維持するよう努める。
類似団体平均を下回った状況が続いているが、これは人件費が他団体に比べ低い水準にあることによる。今後も同様の傾向が続くと見込まれる。
従来、県内はもとより全国的にも低い水準にあり、類似団体内で最低となっている。勤続年数の多い職員の給与水準が低いことが主な原因だが、これは過去の給与抑制策及び昇格者数が少ないこと等による。今後、給与水準の適正化を図っていく必要がある。
従来類似団体平均を下回っており、今後もその傾向が続くと見込まれる。平成22年度には前年度退職者数に見合う採用を行ったが、平成21年度までは退職不補充(退職者未満の採用)を行っていたため、職員数は減少している。こうした状況から、定員管理計画では平成22年4月1日の目標を96人と設定していたが、実際にはそれを9人下回る状況となっている。これまで同様、電算化による省力化を費用対効果を見極めながら進めるとともに、職員の労働環境を勘案しながら、職員数の増も含めた適正化を図る必要がある。
当町が構成町の一つとなっている一部事務組合(下水道事業会計)に係る準元利償還金の負担のため高い水準にあったが、当該会計において資本費平準化債を借り入れたこと等により低下してきた。町の起債においては、普通交付税算入率の高いものに限って借り入れる方針を取っているため、実質的な元利償還金負担は軽いものとなっている。今後も同様の方針に基づき町債借入を行い、安易に起債に頼ることのない財政運営に努める。
平成11年度から平成20年度まで学校改築等の大型建設事業を実施してきたため、起債残高の増・基金残高の減少の傾向が続いていた。平成21年度から基金残高の回復を図る財政方針に転換し、平成22年度も同様に臨んだ結果、将来負担比率が改善した。また、町債の借入にあたっては、普通交付税算入率の高いものに限るなど、実質的な将来負担額の減少を図っている。
職員数や給与の水準が類似団体と比較して低いことから、人件費に係る経常収支比率が低くなっている。職員数や給与水準が大きく変動することは考えにくく、今後も同様の傾向が続くものと見込まれる。
平成19年度まではほぼ類似団体平均と同水準であったが、平成20年度以降は低い水準となっている。これは、本来維持補修費として処理すべき経費が物件費として処理されていたため、その見直しを平成20年度から行ったことによる。平成22年度は当該見直し作業がほぼ終了したため、本来の数値となったと言える。人件費、職員数が少ないなか電算処理に係る経費が増加傾向にあるため、事務の電算化にあたっては費用対効果を十分見極めることが重要である。また、法・制度改正に伴う電算改修費用の高額化にも留意する必要がある。
障害者福祉及び児童福祉に係る経費の経常収支比率が高くなっている。障害者福祉については、加齢に伴って障害を負う者が増えていることから、高齢化率の高い当町では障害者数の増加がみられる。これにより、障害者自立支援事業負担金、障害者の医療給付費の増加が著しい。児童福祉については、子育て支援の一環として保育所入所児童の保護者負担金を減じているため、一般財源充当額が他団体より多くなっていることが経常収支比率が高いことの要因となっている。
類似団体平均を上回っているのは、国民健康保険特別会計への赤字補てん的繰出金による影響が大きい。また、当町が構成町となっている皆野・長瀞上下水道組合(下水道事業特別会計)への操出金も大きなウェイトを占めている。今後、特別会計、一部事務組合への繰出金の適正化及び健全な経営体質への移行に努める。また、平成20年度以降物件費と維持補修費の見直しを進めており、物件費から維持補修費へした経費があるため、その他に係る経常収支比率が高くなった。
従来類似団体平均を上回ってきたが、これは当町が構成町の一つとなっている皆野・長瀞上下水道組合(水道事業会計)に対する赤字補てん的補助金及び同組合(一般会計・し尿処理事業)の負担金が大きかったためである。平成22年度においては、当該組合の各会計における起債残高が減少したこと等により、ほぼ類似団体平均となった。今後も同程度の水準で推移するものと見込まれるが、当該組合の各施設の老朽化が進んでいるため、施設の更新に係る経費の負担が生じることとなる。組合事業の運営の合理化、広域化等抜本的な見直しを検討していく。
公債費充当特定財源は皆無のため、すべて経常一般財源が充当される。当町においては、公債費負担比率が7.8%と比較的低いため、公債費に係る経常収支比率も類似団体と比較して低くなっている。今後公債費の増加及び高止まりが見込まれるため、公債費に係る経常収支比率は悪化していくものと見込まれる。町債の借入にあたっては必要性を見極め、安易に起債に頼らない財政運営に努める。
全体的には、町税の滞納繰越分について多額の税収が得られたことにより、著しく減少した。公債費以外についても、これは変わらず9.3ポイントの減少となった。経常的経費の33.8%を占める人件費・物件費の経常収支比率が低い水準にあることから、次年度以降も大幅に悪化することは少ないと見込まれる。類似団体平均を上回っている性質の経費について、適正化に努めていく。
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