経営の健全性・効率性について
①経常収支比率類似団体平均と同水準であるが、経常収益のうち約15%が基準外繰入金であり、一般会計からの繰入金に大きく依存した状態である。今後改築更新の費用が増加する見込みであることから、財源の確保等を含め経営改善を図る必要がある。③流動比率流動比率が100%を大きく下回り、支払うべき負債に対して短期的な支払能力が不足している。流動資産に1年間の農業集落排水使用料を加えても流動負債の額を下回り、短期的な支払い能力の観点からも一般会計からの繰入金に依存している。定期的な料金設定の見直しなど、現金の確保に向けた取組が必要である。④企業債残高対事業規模比率類似団体と比較して高い水準になっている。原因としては、積極的な農業集落排水施設の整備による企業債の発行や、類似団体と比較して使用料水準が低いことなどが考えられる。今後も管渠や施設の改築更新による企業債の発行が見込れるため、定期的な料金設定の見直しが必要である。⑤経費回収率類似団体平均と比較し低い水準にあり、汚水処理経費を料金収入で賄えていない状況が続いている。今後も管渠や施設の改築更新等が見込まれ、汚水処理経費の増加が想定されるため、定期的な料金設定の見直しが必要である。⑥汚水処理原価分流式下水道等に要する経費に対し、一般会計からの繰入を行うことにより、類似団体平均より低い水準を維持している。しかし、今後改築更新等が見込まれ、汚水処理費の増加が予想されるため、水洗化率を向上させ有収水量を増加させる取組が必要である。⑦施設利用率類似団体平均より高いものの、水洗化率を向上させることで、より効率的な利用が図られると考える。⑧水洗化率類似団体平均と同水準を維持している。しかしながら100%には及ばず、今後も水洗化率の向上に努めていく必要がある。
老朽化の状況について
当市における老朽化の状況については、法定耐用年数を超えた管渠がないことから、管渠老朽化率及び管渠改善率は数値化されていない。しかし、今後法定耐用年数に到達する管渠があることから、改築等の財源の確保や経営に与える影響等を踏まえて、経営改善の実施や投資計画等の見直しを行う必要がある。
全体総括
現状では、基準外繰入金を受け入れることにより不足額を補てんしている状況にあり、今後、更なる維持管理費の増加が見込まれ、基準外繰入金も増加する見込みである。こうした中、営業収益増加のため水洗化率の向上、経費節減に取り組む必要がある。