経営の健全性・効率性について
①経常収支比率平成29年度以降は増加傾向であり、利益が発生していますが、給水収益は前年度から減少しており、加入金等の増加によって、類似団体平均値(以下「平均」とする。)を若干上回っています。今後、施設の老朽化・耐震化への対応に備えて、財源確保が必要となるため、経費削減や給水収益の増加に向けた取り組みを要します。②累積欠損金平成26年度以降、累積欠損金は生じておらず、健全経営を維持しています。③流動比率平均を大きく下回り、さらに前年度から大きく減少(前年度比56.69ポイント減少)しているため、補助金や起債等を活用し、現金預金の確保を目指します。④企業債残高対給水収益比率平均を下回り、債務残高が低く抑えられていますが、今後も施設耐震化等の計画により新たな借入が発生するため、企業債残高を適正に管理する必要があります。⑤料金回収率平均より低く、100%を下回っている状態(前年度比10.69ポイント減少)であるため、料金改定を含めた適切な料金収入の確保が課題と考えます。⑥給水原価平均より低い状態が続いていることから、引き続き効率的な経営を続けています。⑦施設利用率令和2年度に一日最大給水量(一日配水能力)を上方修正したことにより減少しました。今後もダウンサイジングを図りながら施設更新を行います。⑧有収率平均より高い水準で推移しています。引き続き施設、設備の更新を進めながら100%に近づけるよう努めます。
老朽化の状況について
①増加傾向で推移している状態です。水道事業基本計画で定めた耐震化及び更新事業計画や、投資財政計画に基づき、適切に施設の更新を行いながら、水道事業を運営していきます。②管路経年化率水道事業基本計画及び配水管網整備計画に基づき、計画的に施設の更新に取り組みます。③管路更新率年度により、更新率の差が生じていますが、更新に係る費用と収益等のバランスを考慮しながら計画的な施設の更新に努めていきます。
全体総括
現状では、健全な経営が行われている状況であるものの、収益性や料金回収の向上に関しては経営改善の必要があると考えます。老朽化については、経年化率が高いため、水道事業基本計画をもとに耐震化事業及び管路更新事業を計画的に進めていきます。今後、施設の老朽化・耐震化への対応で多額の資金が必要となりますが、料金回収率が100%を下回る、逆ざやの状況により、保有資金は減少傾向にあります。そのため、平成30年度に策定した水道事業経営戦略の見直しを行いながら、将来計画に合わせた水道料金の適正化について、検討を進めていきます。