芳賀中部上水道企業団:末端給水事業
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09:栃木県
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末端給水事業
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経営比較分析表(2018年度)
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、給水収益や他会計補助金等の収益(経常収益)が維持管理や支払利息等の費用(経常費用)をどの程度賄えているかを表す指標で、111.91%と前年度より向上し類似団体の平均を上回り、全国平均を若干下回る状態です。料金回収率を見ると、96.95%と100%を下回っており、給水に係る費用が給水収益以外に他の収入(他会計補助金や長期前受金戻入)で賄われている状態が3ヶ年度続いています。経常収支比率、料金回収率は共に前年度よりも若干上回っていますが、ここ5ヶ年度続けて給水原価が供給単価を上回る逆ざやの状態です。有収水量の増加があまり見込めない状況から考えると、給水収益の大幅な回復は見込みがたい状況であることから、維持管理費等の経常費用の削減による経営改善が必要です。②流動比率については、短期的な債務に対する支払能力を表す指標で類似団体、全国平均共に下回っています。また、給水収益に対する企業債残高の割合を示す企業債残高対給水収益比率については、企業債残高の減少により改善傾向にあります。③施設利用率は、一日配水能力に対する一日平均配水量の割合で、高い数値であることが望まれ、77.02%と全国平均の60.27%を上回っており、施設の利用状況としては適正であると思われます。しかし有収率については、82.37%と前年度よりも2ポイント近く上昇しましたが、それでも全国平均を大幅に下回っています。施設利用率は高い状況ですが、有収率が低水準であるため収益につながっていない状態であり、そのためH27年度より給水区域内での漏水調査を実施しており、その効果もあり有収率は改善傾向にあります。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、資産の老朽化度合いを示しており、100%に近いほど保有資産が法定耐用年数に近づいているということであり、48.13%と全国平均とほぼ変わりません。管路経年化率は18.29%と前年度より若干上昇し、全国平均とさほど差はありませんが、この率自体は26年度から10%近く上昇しており、更新の需要が年々高まっています。しかし、その中で管路更新率は0.09%と非常に低くなっています。漏水多発管を優先しつつ管路の更新を進めてはいますが、費用の問題、拡張等他工事との兼合いもあり、現状なかなか更新が追いつかない状態です。
全体総括
人口減少により給水収益の大きな増加が見込めない状況にある一方で、維持管理費等が今後さらに増加していくと考えられます。今後も法定耐用年数を迎える有形固定資産は増加していくため、計画的な資産の更新・整備、耐震対策を進めていく必要があります。常に安全で良質な水を安定して供給するために、施設の更新・整備を計画的に推進していくことはもとより、経常費用の削減に努めるほか、企業債残高の削減を図るなど、限られた財源の重点的かつ効率的な配分により健全経営を目指していきます。