経営の健全性・効率性について
経営の健全性について、約16年ぶりとなる料金改定を実施した影響で給水収益が増えた結果、経常収支比率や料金回収率に改善が見られた。しかしながら、料金回収率が依然として100%を下回っていることに加え、給水原価が前年度より10円程上昇していることから事業の維持管理に係る費用も同様に増えていることがわかる。経営の効率性については、前年度と同様に施設利用率、有収率共に低く、効率的な運用ができているとは言えない状況である。特に有収率については、類似団体平均値及び全国平均と比べて数値が著しく低いうえに、減少に歯止めがかからない状況である。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び管路経年化率から、どちらも類似団体平均値及び全国平均を上回っており、水道施設の老朽化が進んでいることがわかる。管路更新率は、前年度から改善されたが、依然として類似団体平均や全国平均より下回っており、老朽管の更新が進んでいないことがわかる。
全体総括
料金改定の実施により給水収益が増えた一方で、費用の増加などによって給水原価が上昇しているため、収支バランスは依然悪い。管路の経年化が進んでいる一方、更新が追いついていないため、漏水事故が多発し、有収率低下の一因となっている。今後は、経営戦略や水道施設統廃合計画に従って水道施設の更新を進めていくほか、withコロナを見据えて水道ビジョンや経営戦略等の計画の見直しも検討していく。