経営の健全性・効率性について
経営の健全性について、本年度は、主に給水収益の減により、2年ぶりの赤字決算となり、経常収支比率が100%を下回った。料金回収率を見ると、こちらも依然として100%を下回っており、水道施設の維持管理費を給水収益で賄えていないことがわかる。また、水1㎥当たりの費用を示す給水原価は、前年度より上昇し、190円台となっている。経営の効率性については、施設利用率、有収率共に低く、効率的な運用ができているとは言えない状況である。特に有収率については、類似団体平均値及び全国平均と比べて数値が著しく低く、年々減少が続いていることから、給水収益減少の一因となっている。また、施設利用率と有収率の関係から、施設能力が過大であること、漏水等で水道水が収入になることなく失われていることが分かる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び管路経年化率から、どちらも類似団体平均値及び全国平均を上回っており、水道施設の老朽化が進んでいることがわかる。管路更新率は、本年度は主に新規布設工事を実施した関係で、前年度と比較して大きく落ち込んでおり、老朽化に対して更新が追い付いていない状況が続いている。
全体総括
過剰な能力の施設の運用による施設利用率の低下や漏水による有収率の低下、給水収益の減などにより、給水原価が高騰し、収支バランスが悪化している。管路の経年化が進んでいる一方、更新が追いついていないため、漏水事故が多発し、有収率低下の一因となっている。今後は、経営戦略や水道施設統廃合計画に従って水道施設の更新を進めていく。さらに、令和2年4月1日から水道料金を改定し、経営状況の改善を図る。