地域において担っている役割
当院は町唯一の病院として、また基幹病院との役割分担を踏まえ、入院医療については、主に回復期と慢性期の病床機能で地域医療構想への役割を果たしていく。外来医療については、現在の診療体制を維持し、人工透析医療や在宅医療等、町民の求める医療を適切に提供していく。救急医療については採算の是非は問わず今後も堅持していく。さらに町民の健康を守る立場から保健衛生への協力や健診等の予防医療に積極的に取り組んでいく。
経営の健全性・効率性について
病床利用率については、地域包括ケア病床の導入等により、平成27年度以降毎年高い水準を維持していたが、新型コロナウイルス感染症等の影響により減少している。経常収支比率、医業収支比率については、入院・外来患者の減による収益減少に伴い昨年度と比べ減少しているが、令和2年度平均値を上回っている状況となっている。累積欠損金比率については平成26年度より安定的な経営を行うことにより毎年減少し平成29年度に解消している。
老朽化の状況について
当院は平成8年6月に移転新築し、約20年以上が経過しており、医療機器や建物設備を中心に老朽化が進んできている。このような状況のなか医療機器及び建物等の整備については、年次計画により更新や改修を行うため、有利な補助や経済対策等の資金を積極的に活用し、一般会計からの支援を含め計画的に必要最小限の範囲で整備していく予定である。
全体総括
令和2年度は、新改革プランの5年目に当たる年でプランに掲げた目標達成に向け、限られた職員・診療体制の中で質の良い医療を提供できるよう努めてきた。しかしながら新型コロナウイルス感染症等の影響とその対応に大変苦慮し数値目標の約半数が未達成となった。収益については、入院・外来とも患者数が減少し、病床利用率についても例年に比べ低くなっていることから全体的に減少している。費用については給与費・材料費が増加となったが、経常収支比率は100%以上となり7年連続で経常黒字を達成している。次年度も新型コロナウイルス感染症等の影響により厳しい病院経営が予測されるが、平成26年度以降の安定経営継続に向け更なる努力を行う。