地域において担っている役割
地方独立行政法人市立秋田総合病院は、公的医療機関として、結核・精神・救急等の政策的な医療やがん診療等の高度な医療を総合的に提供している。特に、秋田県がん診療連携推進病院として難易度の高い外科的治療等の提供や救急告示病院として一般救急および小児救急を開設している。また、精神科領域では、秋田県で唯一の基幹型認知症疾患医療センターに指定され、地域の中核的医療機関としての役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
平成28年度は、平成27年度に比べ、収益では手術件数の増により入院収益が増加したが、外来に係る診療単価の減により外来収益は減少した。費用では職員数の増により給与費が増加したが、材料費等が減少し、その結果、医業収支比率は平成27年度と概ね同水準となっている。また、経常収支比率は、営業外収益等の増により平成27年度に比べ増加するとともに、100%以上を維持している。
老朽化の状況について
病院建物については竣工より32年が経ち老朽化が進行していることから、計画的に修繕を行っているほか、医療機器についても、経過年数等を踏まえ計画的に更新を進めている。また、病院建物の老朽化や狭隘化の解消を図るため、新病院の建設を進めており、平成28年度は医療機能や必要な施設設備、事業計画等の検討を行い、「市立秋田総合病院改築基本構想」を策定した。
全体総括
平成26年度に地方独立行政法人に移行後、3年連続で経常収支比率100%以上を維持しており、安定した財務基盤の確保を図りながら、地域における中核的な公的医療機関として、総合的かつ高度な医療を提供してきているといえる。今後とも、業務運営の効率化を図りながら、収益の確保と経費の節減に努め、良質な医療を安定的に提供していく。