経営の健全性・効率性について
収益的収支比率について、前年度より改善し、単年度の収支が黒字であるが、これは公営企業会計移行に伴う打切決算により未払金が発生したことが要因であり、これらを除いた場合の収支は、赤字である。今後も定期的な検討、改定による適正な使用料収入の確保と経費削減による維持管理費の抑制に継続的に取り組んでいく。企業債残高対事業規模比率について、類似団体平均値を下回っているが、令和2年度に機能保全計画を策定することに伴い借入を行うことから、増加が見込まれる。経費回収率について、依然、使用料で回収すべき経費を全て使用料で賄えていない。今後も定期的な検討、改定による適正な使用料収入の確保と経費削減による維持管理費の抑制に継続的に取り組んでいく。汚水処理原価ついて、前年度より改善しているが、これは公営企業会計移行に伴う打切決算により未払金が発生したことが要因であり、これを除いた場合、類似団体平均値を上回っている。今後も経費削減による維持管理費の抑制に継続的に取り組んでいく。施設利用率について、適切な施設規模になっているといえる。水洗化率について、汚水処理が適切に行われているといえる。
老朽化の状況について
下水道施設については、東日本大震災に伴う防災集団移転地と既存集落の汚水の処理を目的として、宮戸地区3か所に大型の浄化槽による処理施設を整備し、平成26年10月から供用を開始している新しい施設であり、現状において修繕が必要な老朽化が見込まれる状況にはない。今後、適切な維持管理を行っていく。施設の機能確保に努めていく。
全体総括
経営において、事業運営に必要な経費をその経営に伴う収入で全て賄うこととしているが、全てを賄えていないのが現状である。適正な受益者負担と安定した健全な事業運営を図るため、社会情勢や財政状況の把握による的確な収支見通しを行い、経営戦略に基づいた、計画的な料金改定による財源の確保や経費削減による維持管理費の抑制に取り組んでいく。また、下水道事業の目的でもある生活環境の向上と水質の保全ため、下水道について広く市民に周知を図り、事業の継続性を高めていく。